頭ケ島の信徒に感謝状 新上五島で登録祝う

 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本の12資産)の世界文化遺産登録を受け、新上五島町の構成資産「頭ケ島の集落」で10日、記念のミサや式典が開かれた。式典には同町出身の前田万葉枢機卿(69)=カトリック大阪大司教区=ら約700人が参加し、待望の登録を祝った。

 記念ミサ(カトリック上五島地区評議会主催)は友住郷の頭ケ島天主堂であり、町内の信徒約200人が集まった。6月にカトリックでローマ法王に次ぐ地位の枢機卿になった前田氏は「上五島から信仰の遺産を伝え広げ、世界平和につながれば」と述べた。
 町主催の記念式典は青方郷の町石油備蓄記念会館であり、江上悦生町長が「世界遺産の島として地域振興に生かせるよう最善を尽くしたい」とあいさつ。構成資産内の清掃や観光客受け入れに協力した頭ケ島の信徒に感謝状を贈呈した。代表の松井義喜さん(80)は「大変光栄なこと。これまでの苦労が報われた気分」と喜びを語った。
 資産の調査を担当した文化庁の鈴木地平文化財調査官の記念講演もあった。

世界文化遺産登録記念式典で江上町長から感謝状を贈られる松井さん(左)=新上五島町石油備蓄記念会館

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