相模原で「戦争と平和展」 台湾少年工の手紙も展示

 太平洋戦争中に、座間、大和市内にあった日本海軍の航空機工場「高座海軍工廠(しょう)」をテーマにした「戦争と平和展2」が19日まで、相模原市南区の相武台公民館で開かれている。かつて同工廠で働いていた台湾少年工の手紙などを紹介し、地域に残る戦争の記憶を振り返っている。同展実行委員会の主催。

 展示は地域の家庭に眠る戦争にまつわる品々を集めて初めて企画された昨年に続き2回目。台湾少年工は日本統治下の台湾で生まれ育ち小中学校を出た13歳前後の少年で、航空機の組み立てなどの仕事に携わった。

 会場には元少年工がかつての暮らしを振り返ってつづった手紙を展示している。「一日中やすりがけをすると手のマメがやぶれる」「入浴は短い時間」などと詳しく書かれている。同工廠に勤務していた女性が元少年工たちと長年にわたってやりとりしてきた年賀状も並んでいる。

 同展実行委員長で郷土史家の涌田佑さん(89)が同工廠や厚木飛行場などの施設についてパネルにまとめて紹介。ノモンハン事件についてのパネル、戦地から送られてきたはがきなども展示し、小中学生にも理解できるよう平易な解説文も添えている。

 涌田さんは「戦争に関係する地域の歴史を知り、平和の大切さを多くの人にかみしめてほしい」と話している。

 午前9時から午後5時(最終日は正午)まで、入場無料。問い合わせは、相武台公民館電話046(256)3700。

来場した高校生に展示内容を説明する涌田佑さん(右端)=相武台公民館

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