通算762本塁打・ボンズ氏の背番号「25」が新たな永久欠番

歴代最多の本塁打を放った男が帰ってきた。日本時間8月12日、AT&Tパークで行われたパイレーツ対ジャイアンツの試合前、両球団のOBでもあるバリー・ボンズ氏の現役時代の背番号「25」を永久欠番とするセレモニーが行われた。

1986年にパイレーツでメジャーデビューを果たしたボンズ氏は走攻守揃った選手として活躍。1993年にジャイアンツに移籍すると初年度に46本塁打を放って自身初の本塁打王に輝いた。さらなる輝きを放ったのは2001年、シーズン最多となる73本塁打を記録し球界の歴史に名を残した。メジャー22年間で打率.298 762本塁打 1996打点の成績。本塁打と四球は歴代最多の数字となっている。多くの記録を残したが、薬物問題の影響で野球殿堂入りは果たしていない。

現役引退から約10年、ボンズ氏の活躍が永久欠番という形で後世に末永く伝えられることになった。試合前セレモニーには指揮官として彼の活躍をみてきたジム・リーランド氏やダスティ・ベイカー氏、そしてジャイアンツを率いるブルース・ボウチー監督ら球界のレジェンドが集結。球場に詰めかけたファンの大歓声に迎えられると手を振り、笑顔でこれに応えた。この日はジャイアンツのユニフォームに身を包み、守備位置だったレフトにも就いた。本人は「もう一度、レフトに立ちたかったんだ」と感慨深い様子をみせた。

殿堂入りこそできていないが、通算762本塁打をはじめとする偉大な記録やボンズ氏自身の存在は今でも多くのファンの心に残っているはずだ。レジェンドの歓喜の時を見届けた両チームはこの日の試合、パイレーツがジョシュ・ベルの3ランなどで4点をリードし、4-0で完封勝利を挙げた。一方のジャイアンツはわずか6安打に終わり、ボンズ氏に勝利を届けることができなかった。パイレーツとジャイアンツ、両球団でキャリアを積んだボンズ氏は汚点もあったが、彼が残した足跡はこれからも消えることはない。

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