二宮の魅力発信へ 中学生が初の「サミット」 秋祭りで「ミカンせっけん」作り立案 

 地元の魅力を発信するアイデアはないか。大人でも答えに窮する難問に中学生が挑む試みが今月、二宮町内であった。題して「中学生サミット」。今秋に開かれる地域の催しでの企画を巡って議論を交わし、二宮の特産品を生かしたせっけん作りに取り組むことを決めた。

 町立二宮西中学校(同町川匂)に9日、熱心に意見を交わす生徒たちの姿があった。柔軟な発想力や企画力を養ってもらおうと、町教育委員会が初めて開催。町内にある町立2校の二宮中、二宮西中の生徒会メンバーらを中心に1~3年生計24人が参加した。

 テーマは、11月のイベント「湘南にのみや ふるさとまつり」で設けるブースでの企画の立案。当日の人のやりくりや、4万円の予算の使い道も生徒自身が考えていくという。

 四つのグループに分かれて話し合い、「募金を呼び掛け、協力者に名産品をプレゼント」「二宮の風景を使った缶バッジの販売」「町のキャラクターを使ったPR映像の作製」といったアイデアが次々と出された。その後、グループごとに一つに絞って発表。生徒全員による投票で、二宮の特産品であるミカンの香りがするせっけんを作る体験コーナーを設けることになった。

 発案者は二宮西中3年の遠藤悠人さん(14)。母が地域の催しでせっけんを作ってきたことを思い出し提案したという。「仲間たちが企画をもんでくれたおかげ」と笑顔を浮かべた。

 企画の細部を練り上げた二宮中3年の渡邊珠緒さん(15)は「どうすれば、せっけんが作れるのか分からない。これからせっけん作りの師匠を探さないと」と意気込む。同じグループの二宮西中2年の秋澤梨々香さん(14)も「みんなで悩んで話し合いながら考えることができて良かった」と振り返った。

 「ふるさとまつり」は11月11日午前9時から午後3時まで町生涯学習センター「ラディアン」で地域の特産品などを販売。昨年は9千人が訪れたという。

 両校の生徒たちは今後、話し合いなどを重ねて出店を準備。当日は地元の魅力発信に一役買う。

「湘南にのみや ふるさとまつり」の出店アイデアを発表する中学生

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