『タリーと私の秘密の時間』 お母さんには心の余裕が必要なんです!

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 『JUNO/ジュノ』で一世を風靡したジェイソン・ライトマン監督と脚本家のディアブロ・コディのタッグが、大人になりたくない独身女性を毒っ気たっぷりに描いた『ヤング≒アダルト』以来6年ぶりに、シャーリーズ・セロンを主演に迎えた作品です。

 主人公の女性マーロは、ママ業と仕事を完璧にこなすワーキングママ。3人目が生まれた途端、仕事と子育てが両立できない! という地獄にハマって疲弊する母親を、シャーリーズが18キロも増量して熱演。彼女の元にやってきた夜専用のベビーシッターはぶっ飛んだ印象のタリーだけれど、そんな彼女が赤ちゃんの世話だけじゃなく家事も完璧にしてくれて、マーロの人生に光を当てる。彼女の神さまぶりは「ここに呼びたい!」という気にさせちゃうはず。

 リアルな描写に私自身、耳に突き刺さる赤ちゃんの泣き声が辛くて号泣していた記憶がフラッシュバックしました。「人には頼りたくない」と言っていたマーロのようなお母さんを、私は沢山知っています。日本にはアメリカみたいにベビーシッター制度があまりないので、たった一人で子育てのストレスを背負いまくってしまうお母さんが沢山いると思いますが、やっぱり心に余裕は大事なんだってことを痛感。子育てに疲れたお母さんが勇気を出して、誰かに「助けて!」って言えるきっかけになったら嬉しいです。★★★★☆(森田真帆)

監督:ジェイソン・ライトマン

出演:シャーリーズ・セロン、マッケンジー・デイヴィス、マーク・デュプラス

8月17日(金)から全国公開

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