ラグビーワールドカップ会場の「釜石復興スタジアム」が竣工、19日に記念イベント 釜石シーウェイブスが記念試合、新日鉄釜石と神鋼のOB戦も

 日本で来年開催される「ラグビーワールドカップ(RWC)2019」の試合会場の一つとして、岩手県釜石市で整備が進められていた「釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム」がこのほど完成し、19日に記念イベントを開催する。釜石シーウェイブスVSヤマハ発動機のオープニングマッチをはじめ、新日鉄釜石OBと神戸製鋼OBとのレジェンドマッチ、人気グループ・EXILEと地元中学生によるハーフタイムダンスパフォーマンスなどを予定する。

 アジアで初めて開催されるRWC日本大会は、来年9~11月に全国12都市で48試合が行われ、このうち同スタジアムでは2試合を実施する。スタジアムのコンセプトは「未来への船出、羽ばたき」。メーンスタンド上に張り出す20×60(メートル)の屋根膜は船の帆・鳥の翼をイメージし、東日本大震災で甚大な被害を経験しながらも〝鉄のまち、ラグビーのまち〟としてRWCを契機に復興からの新たな飛躍を象徴する。

 スタジアムはメーン・サブの二つのグラウンド、管理棟などで構成。130×80(メートル)のメーングラウンドにはマイクロファイバーと天然コルクに天然芝の根を絡ませた〝ハイブリッド天然芝〟を国内で初めて採用した。スタンドは常設6千席、仮設1万席の計1万6千席を有し、常設席の一部に国立競技場にあった240席を譲り受け〝レガシーシート〟として活用した。またスタンドやトイレなどには、釜石湾の尾崎半島で17年5月に発生した林野火災で焼失したスギを再利用した。

 来年9月の本番に向けスタジアムでは今後、仮設スタンド工事に着手。周辺でも津波で被災した鉄道や駅舎の復旧工事・街路整備などを進め、受け入れ態勢を整えていく。

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