鈴鹿8耐で負傷のヤマハ中須賀、怪我の影響残してJSB1000もてぎ戦へ。「決勝までになんとかしたい」

 7月26日~29日に行われた鈴鹿8時間耐久ロードレースを終えて、2018年シーズン後半戦を迎える全日本ロードレース選手権のJSB1000クラス。現在ポイントリーダーにつけるYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は、チャンピオン奪還へ向けて第6戦もてぎに挑むが、鈴鹿8耐で負った怪我の影響が残るなかでの戦いとなる。

 中須賀は7月28日に行われた鈴鹿8耐のフリー走行中、ペースの遅いマシンに引っかかった際に転倒して負傷。この影響で決勝レースへ出場することができなかった。

 想定外のアクシデントで中須賀を欠くことになったヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームだったが、アレックス・ロウズとマイケル・ファン・デル・マークが中須賀の分をカバーする走りで8時間を戦い抜き優勝。チームと中須賀に鈴鹿8耐4連覇という記録をもたらした。

 そんな鈴鹿8耐を終えて、全日本ロードの最高峰クラスであるJSB1000は、およそ2カ月ぶりのレースを迎える。後半戦緒戦のもてぎを迎えるに当たり、中須賀は次のように話す。

「鈴鹿8耐は悔しい内容となってしまいました。ですが、全日本(ロードレース)では一番重要なチャンピオン奪還(という目標)があるので、後半戦(最初)のもてぎは大事なレースになります。ケガの状況も踏まえ、何とかしたいという気持ちでいます」

 鈴鹿8耐で中須賀が負傷したのは右肩で、怪我は脱臼による痛みだという。ストップ&ゴーの激しいもてぎでは、ハードブレーキ時にかかる右肩への負担は想像に難しくない。その影響が残るなか、8月17日にもてぎ行われた2回のART走行で中須賀は1分49秒725で総合3番手。トップタイムとなる1分49秒304を記録した野左根航汰とは約コンマ4秒差だった。

 ART走行では負傷した右肩の感触を確かめながら走行したという中須賀は「(マシンに)乗るたびに感触はよくなってきている」と語るが、決勝レースは一筋縄ではいかないようだ。

マシンに乗るたびに感触は「よくなってきている」と語る中須賀克行

「(自分自身のコンディションは)決勝までになんとかして、優勝争いができるように仕上げていきたいとは思っています。JSB1000は怪我をした状態で勝てるような甘いレースではないことは重々わかっています」

「しかし、あきらめることが一番ダメなことなので、最後までもがいて、ファンのみなさんにいいレースが見せられるよう、状態を仕上げたいと思います」

 いよいよ2018年シーズン後半戦に突入する全日本ロード。その緒戦となるもてぎは、チャンピオン奪還に挑む中須賀にとって大きな分岐点となる。

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