【U-12アジア選手権】侍U12、4番不在で韓国に惜敗し連覇の夢断たれる 仁志監督「惜しいような…」

「第10回 BFA U12アジア選手権」セミファイナルで韓国代表に敗れた日本代表【写真:Getty Images】

初回に幸先よく2点を先制したが…

 台湾・台北で開催されている「第10回 BFA U12アジア選手権」は16日、セミファイナルに入った。予選グループA2位の日本は同グループB1位の韓国と対戦し、3-4で惜敗。連覇を狙ったが決勝進出は叶わなかった。

 日本は初回、2死から3番・栗山大成が四球で出塁すると、4番・稲福倫汰への2、3球目が連続で暴投となり、三塁まで進塁。稲福も四球で歩き、2死一、三塁とすると、5番・宇野真仁朗へのカウント1-1からの3球目が暴投となり、三走・栗山が先制のホームを踏んだ。さらに2死二塁から宇野がセンターへ適時打を放ち、2-0とした。

 先発・西村大和は四死球で走者を出しながらも2イニングを無失点で切り抜けた。リードした日本は3回、西村から2番手として、予選ラウンドのチャイニーズ・タイペイ戦で好投した巴田瑠碧に交代。1番・JANG Minjunに内野安打を許すと、2番・KIM Yeongilに中前適時二塁打を浴び、その後は四球で無死一、二塁となり悪送球と暴投で2点を失い逆転を許した。

 その直後の4回。2死二、三塁から7番・矢竹開がエンドランで打った一ゴロを相手一塁手が失策。その間に三走・玉城が生還し同点に追いつく。

 日本は5回に四球や失策で無死満塁のチャンスが到来したが、無得点。その裏、1死一塁から4番・KIM Jaeyeongを三ゴロに打ち取ったが、一塁走者のLEE Geonhuiは二塁を蹴って三塁へ。それを見た一塁を守る真栄里が三塁へ悪送球し決勝点を許した。

 1点を追う6回、先頭の代打・斎藤大葵が四球で出塁したが、後続が打ち取られてゲームセット。僅差で涙を飲んだ。仁志敏久監督は「惜しいような、惜しくないような感じですね」と複雑な表情。急造チームがゆえにまだ伝えきれていないこともあり、1点が重くのしかかった。

4番予定の森山が発熱し宿舎で休養

 試合は当初現地時間の18時30分開始予定だったが、地元のチャイニーズ・タイペイのパキスタン戦の中継の関係で17時開始予定に繰り上がった。前日に変更になったものの、この日は球場到着直後にスコールに見舞われ、試合が始まったのは18時45分。

 15時前の球場入りから試合開始まで長時間待たされる形となったが仁志監督は「特に問題なかったと思います。子どもたちには何が起こっても驚くなと言ってある。時間が変わったり、多少、ルールが変わったりすることは当たり前」と影響は否定した。

 ただ、チームとして痛かったのは予選ラウンド3戦目で本塁打を放っている森山竜之輔の欠場だった。前日に発熱し、この日の朝も体温が下がらずに38度。夕方には平熱に戻ったが、宿舎で休養した。「今日も4番に入れようと思っていた」と指揮官。4番の穴を埋めようと一丸で戦ったが、勝利はつかめなかった。キャプテンの栗山は「悔しいです。韓国は長打とか、日本がミスをした時の走塁とかが良かったのかなと思います」と唇をかんだ。

 セミファイナル2戦目はパキスタンと戦う。仁志監督は「パキスタンは結構、ポテンシャルがあるんですよね。当たったら飛ぶとか、球が速いとか。こちらがきっちりとやるべきことをやれれば。相手がどうこうよりも自分たちの思った通りのプレーができるかどうかというところですね」と試合のポイントを話した。連覇の夢は絶たれたが、ここまで積み重ねてきたものをしっかりと出す。(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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