広島訪問の中学生「原爆伝える」 伊勢原で平和のつどい

 核兵器廃絶と平和の尊さを語り継ぐ伊勢原市の「第32回平和のつどい」が19日、同市田中の市民文化会館で開かれ、市民ら約210人が出席した。

 高山松太郎市長は「戦争の記憶を風化させず、もたらす悲しみ、平和の尊さを若い世代に語り継ぐことが必要とされている」とあいさつ。「中学生平和作文」には831点の応募があり、優秀賞8人、佳作8人に賞状が贈られた。

 このうち、今月5、6日に広島市を訪れた7人が広島平和記念資料館、平和記念式典の様子を発表。市立伊勢原中学校3年の加藤郁哉さん(15)は「悲惨な出来事が起きないよう、私たちは原爆のことを知り、伝える使命がある」と述べた。

 東海大文学部広報メディア学科3、4年生が市内の被爆者にインタビューし、編集した映像作品も上映された。出演した「伊勢原被爆者の会」副会長の小渕義信さん(85)は「若い人に過去を学んでもらい、世界で核兵器が保有されている現状と平和について考えてほしい」と話していた。

 最後は来場者全員で恒久平和の実現に努め、核兵器廃絶を求める「市平和都市宣言」を読んだ。会場には市立大山小学校で保管される「青い目の人形」や、広島と長崎の原子爆弾の被害を伝える写真も展示され、来場者の関心を集めていた。

「伊勢原市平和都市宣言」を読み上げる出席者 =伊勢原市民文化会館

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