【病院中毒死】「家族への説明に不安」 女性殺害容疑で送検

 横浜市神奈川区の旧大口病院(現・横浜はじめ病院)で2016年9月に起きた点滴殺人事件で、入院患者の女性=当時(78)=に対する殺人容疑で再逮捕された同院の元看護師久保木愛弓容疑者(31)が「勤務中にけがをされると、家族に説明しなければならず不安だった」との趣旨の供述をしていることが20日、捜査関係者への取材で分かった。

 神奈川署特捜本部は同日、同容疑者を送検した。

 特捜本部によると、女性は16年9月13日に膝のけがで同院に入院した。1人で歩けるなど元気な様子だったが、3日後の同16日に血尿が出るなどして容体が急変。同区にある系列の病院に搬送され、間もなく死亡した。

 これまでの調べで、同容疑者は勤務日だった同15日に、女性に投与予定の未使用の点滴袋に消毒液を混入させた疑いが持たれている。捜査関係者によると、同容疑者が女性を担当したのはこの日が初めてだったことも分かった。

 特捜本部は、同容疑者が女性の健康状態に差し迫った問題がないことを認識していたとみて、動機の解明を進める。

 同容疑者は今年7月、入院患者でともにベッドに寝たきりの状態だった男性2人=ともに当時(88)=に消毒液を混入させて中毒死させたとして殺人容疑で逮捕、送検されていた。

 横浜市神奈川区の旧大口病院(現横浜はじめ病院)

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