クリントン夫妻一人娘「トランプ氏大嫌い」 政界入りに含み

By 太田清

2016年7月、米フィラデルフィアでの民主党大会で大統領候補指名受諾演説を終えたクリントン氏の横に立つチェルシーさん。後列右は父親のクリントン元大統領(ロイター=共同)

 米作家で慈善活動家のチェルシー・クリントンさん(38)が21日までに、訪問先の英北部スコットランドのエディンバラで講演し、将来政治の世界に進むことについて「絶対に今ではないけど、もしかしたらということは絶対にある」と述べ、将来の可能性に含みを持たせた。英紙ガーディアン(電子版)が伝えた。 

 チェルシーさんは言うまでもなく、ビル・クリントン米元大統領と、2016年大統領選でトランプ現大統領と争った民主党候補ヒラリー・クリントンさんの一人娘。将来、民主党のホープとして米大統領選への出馬を期待する声も一部で上がっている。特にチェルシーさんがツイッターなどでトランプ政権を頻繁に批判するようになって以来、政界入りを模索しているとの臆測が繰り返し語られてきた。 

 チェルシーさんは、子ども向けの自著のPRなどのためエディンバラで行われた書籍フェスティバルに参加。「トランプ大統領が行っていることは大嫌いだが、同様に(民主党の)女性議員らがあらゆる点で大統領を止めようとしていることには感謝している」とした上で「もし変化が生まれ、女性議員らが引退することになり、私が何らかの貢献ができると思えれば、(政界進出の問題を)自ら問う必要が出てくると思う。それは絶対に今ではないけど、将来もしかしたらということは絶対にある」と話した。 

 トランプ氏の政策の中でも、特に不法移民の親子の分離策に対して「本当に憤っている」と指摘。「これは現在、わが国における最大の罪だと思う。こうした政策が実行されないようできることは何でもします」と訴えた。 

 一方、父親のクリントン氏が大統領になった際に、子供だったみずからの容姿がからかいの対象になったことにも触れ、トランプ氏の息子バロン君について「一部の人は彼をからかい、いじめている」として大統領の子供のプライバシーを尊重すべきだとも主張した。 

 チェルシーさんは民間企業などに勤めた後、結婚。2児をもうけ、現在はクリントン元大統領が創設した慈善団体「クリントン財団」で働いている。 (共同通信=太田清)

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