[田路昌也の中国・香港ドローン便り]Vol.03 中国でドローン飛行を。中国政府航空局オンライン申請早わかり2018

夏休みだからドローンを飛ばそうー!とその前に機体登録をしよう

このコラムを読んでおられる方の多くはドローンを所有し、また操縦を楽しんでおられると思います。夏休みはいかがでしたか?いつもとは違う景色や環境、例えば海外で操縦したくないですか。

日本でドローンを楽しんでいる方は、日本の航空法に基づくドローン規制は熟知しておられると思いますが、海外でも国毎に独自の規制があります。ということで、今回は日本から比較的行きやすく、また雄大な景観が数多く存在する中国でのドローン規制について話したいと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、日本でも人気の Phantom、Mavic Pro、Mavic Airなどを製造・販売する商業ドローン最大手DJIの創業者フランク・ワン氏は香港科技大学を卒業した中国人であり、本社は中国の深センにあります。これが影響しているのか、香港、中国では、ドローンに対する認知度も比較的高いと感じます。

例えば、私が中国で飛ばしていても咎められたことは皆無で、むしろ多くの人が群がってきて操縦に集中できないほどガンガン質問されることもよくあります。そんなときには操縦時のスマートフォンから見える安定した美しい映像を観てもらうことで、周囲の方を仲間に引き入れ、盛り上げることでドローンファンを増やすように心がけています。そんなドローンに対して寛容な中国ですが2017年から250グラム以上のドローンは中国民生航空局に登録することが義務付けられました。

登録後に下の二次元バーコードが生成されますので、それをドローン本体に貼り付ける必要があります。 (下記バーコードは実際のデータがわからないようにボカしています)

登録サイトが中国語(簡体字)なのでちょっととっつきにくいと思いますので動画を作成しました。本動画は2017年に制作していますが、登録に関しては現在でも大きく変わっていません。必要な方は下記リンクよりご覧ください。

登録に際しての注意点を書いておきます。日本人が登録する場合にはパスポート番号とメールアドレスが必要です。次に日本の方にとって面倒なのが、中国国内の携帯電話番号が必要ということです。実際には携帯電話が必要ということではなく、登録時に携帯電話のSMS(ショートメッセージ)認証が必要となります。

裏技的には、中国携帯を持っている友人がいれば、その携帯電話番号を登録し、認証時に友人の携帯電話に届いたSMSの認証コードを教えてもらって上記サイトで登録を済ませるという方法があります。もっと正式にやりたいということであれば、中国ではプリペイドベースの携帯電話用SIMカードが容易かつ安価に購入できますので、それを中国でのドローンフライト前に現地調達し、サイト登録、2次元バーコードを現地で印刷するということも可能かと思います。

あと動画の中でも紹介していますが、機体登録時には自分の所有するドローンのメーカーとモデル名が必要になります。 DJIの正式名は中国語で

大疆创新科技有限公司(簡体字)

大疆創新科技有限公司(繁体字)

となります。航空局登録サイトではDJIが選択肢にありませんので、この中国での漢字名を選択して下さい。

蛇足ですが英語社名はDJI、社名がDJIとなる理由は以下に。Da-Jiang Innovations Science and Technology Co., Ltd. また動画中7:14あたりで「飛控序号」とあるのは送信機のシリアル番号だと思います。ただこれは必須ではないので登録する必要はないと思います。上記動画に従って登録完了すると二次元バーコードが入手できます。

さー自由に飛ばそう!合法的に!

生成した二次元バーコードを印刷し機体に貼り付けてみました。2cm角以上で機体に貼り付ける必要があります。(QRコードはモザイク処理済み)ドローン機体の背景に、深センの税関が写っていますが、あくまでこれはイメージ写真です。決してここで飛ばしてはいけません。ちなみにこれは最近発売され話題のParrot社製Anafiです。

また本家DJIが飛行禁止区域がわかる地図を提供していますので事前に下記リンクより確認下さい。

機種によって制限が変わりますのでご自身のモデルを選択した上でご確認下さい。

上記地図の下に記載された注記部分を説明しておきます。赤い部分は飛行禁止区域を示しています。ただし特別な許可などが必要な場合には記載してあるDJIのメールアドレスに問い合わせするようにとあります。灰色部分は、飛行場が近くにある場合などで、高さ制限がある地域を示しています。

その他の一般的な飛行制限項目としては、高度制限120メートル、目視飛行をすること。人口密集地などでは飛ばせませんし、周囲の人や建物からは30メートル以上離れることが必要です。最後に、冒頭でドローンに対しては好意的とは書いていますが、やはり社会主義の国です。

公安に捕まると大変なことになりますので、北京やチベットといった政治的な場所、空港付近、電車の駅、軍事施設が近い場所などでは絶対に飛ばさず、大自然の広がる景観のいいところを飛ばしましょう。

注記) より正確に法規を確認したい方はこのリンクより政府発行の資料(中国語)をダウンロードできます。

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