戦前ポスターなど図案家が描いた船紹介 日本郵船歴史博物館で企画展

 日本郵船の広告デザインに携わった画家やデザイナーらの作品とその功績を紹介する企画展「図案家たちの足跡」が、日本郵船歴史博物館(横浜市中区)で開かれている。10月28日まで。

 日本と欧米などを結ぶ主要航路を広げていた戦前に制作された作品を中心に、作家ごとに当時最先端のデザインを採用したポスターやカレンダー、パンフレットなど80点を展示している。

 夏目漱石作品の装幀(そうてい)を任された画家で版画家の橋口五葉が手掛けたポスター「カレンダーを手にする女性」(1913年)は、得意の美人画を前面に打ち出した。パリで活躍したグラフィックデザイナー里見宗次が制作したカレンダー「NYK LINE」(36年)はアール・デコ様式のモダンなデザインを見ることができる。

 企画展を担当した鈴木久美子学芸員(27)は「日本郵船に所属した図案家たちがデザインしたポスターもあり、いずれも斬新かつ多様な表現で日本を代表する海運会社をアピールしている」と解説する。

 関連企画として、講演会「戦前期の日本のポスター史と海運」が9月1日午後2時から、ワークショップ「大人の塗り絵教室」が9日午後2時から、それぞれ開かれる。いずれも要予約で先着順。参加費は講演会は入館料のみ、ワークショップは入館料込み500円(色鉛筆持参)。

 入館料は一般400円、中高生、65歳以上250円、小学生以下無料。問い合わせは、同館電話045(211)1923。

企画展で、ポスターを紹介する鈴木さん=日本郵船歴史博物館

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