氷商の熱、冷え知らず 連日の暑さで販売2割増 厚木

 連日の厳しい暑さが続く中、氷商も繁忙期真っただ中だ。神奈川県厚木市内で現在唯一の「山本氷店」(妻田北)もその例に漏れず、イベントや祭り店舗、飲食店などからの注文増に応えるべく、毎日早朝から作業にいそしんでいる。

 「今年は相当暑いから販売数量で例年の2割増ぐらいかな」とは、代表の山本俊亘さん。イベント需要が中心だが、暑さで製氷機が故障した飲食店などから急場をしのぐ注文も少なくない。氷以外でも電動などの各種かき氷機のレンタルも好調という。同店では日中の接客に備え、毎朝午前4時から大型機材で氷をカットする作業に当たる日々が続く。

 商い好調の今夏だが、その一方で幾度も訪れた台風に商機を奪われた現実も。「書き入れ時の週末に限って台風。イベント中止となり氷もキャンセルというのが重なった」と振り返る。

 今後の見通しは「残る夏場の需要や、9月以降の行楽シーズン、運動会、文化祭などにちなんだ注文に期待が持てる」と山本さん。キーンと冷たい氷を巡る商いの熱は、まだまだ冷えそうにない。

年季の入ったはさみで氷を運ぶ山本さん=厚木市妻田北

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