Tシャツ着用し107人炎症 薬剤開発会社の2人を不起訴

 神奈川県茅ケ崎市で2016年9月に開催されたスタンドアップパドルボードの国際大会で、配布されたTシャツを着た選手らの皮膚に炎症が生じた問題で、横浜地検は21日までに、Tシャツの製造過程で有害な薬剤を使用したとして、業務上過失傷害の疑いで書類送検された京都市の薬剤開発会社の元役員(68)と社員(36)を不起訴処分とした。不起訴の理由は明らかにしていない。20日付。

 2人は、床の殺菌などに使われる薬剤を安全確認が不十分なままTシャツのプリントの色合いを良くする前処理剤として製作業者に販売。着用した選手ら107人に化学熱傷などを引き起こして重軽傷を負わせたとして、17年10月に茅ケ崎署に書類送検された。

 大会実行委員会などによると、Tシャツは選手やスタッフらに計363枚配布された。大会初日に着用した選手らが相次いで上半身に痛みを訴える事例が続出。中には入院者もおり、問題が表面化した。

2016年9月の大会で参加者に配布されたTシャツ =茅ケ崎署

© 株式会社神奈川新聞社