140年ぶり里帰りの「住吉神」 みこしの担ぎ手募集 来月2日 市民有志が還郷祭 歴文博ー諏訪神社を巡行

 歴史の「重み」を感じませんか-。長崎の秋を彩る長崎くんちで、明治初期まで使用されたみこしが140年ぶりに里帰りしたのを受け、市民有志でつくる実行委はみこしの清祓(きよはらい)などを行う「還郷祭(かんきょうさい)」を9月2日に開催する。みこしを所蔵する長崎歴史文化博物館(長崎市立山1丁目)から諏訪神社(上西山町)まで巡行する際の担ぎ手を、市民から募集している。
 みこしは「住吉神」。同館によると、1676年から1878年まで長崎くんち前日の「お下り」と後日の「お上り」に使用され、現存する諏訪神社のみこしでは最古。江戸期のくんちを表現したびょうぶ絵「長崎諏訪神社祭礼図屏風」にも住吉神が描かれている。
 福岡県柳川市の三島神社が1878年に諏訪神社から購入し所有していたが、今年3月に長崎市へ寄贈した。200年以上使われた歴史あるみこしを広く知ってもらおうと、実行委が市と同館の許可を得て祭りを企画した。
 清祓をする諏訪神社までみこしを運ぶ間に、市民に披露する形。実行委が協力を呼び掛けた経験者約20人のほかに市民からも20人程度の担ぎ手を集め、交代で担ぎながら巡行する予定だ。安全面を考え、募集対象は高校生以上の男性。希望者は実行委の井村啓造さん(電090・2508・7178)。

140年ぶりに長崎に里帰りしたみこし「住吉神」=長崎歴史文化博物館

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