二つの立場の間に入る緩和剤
家賃を上げたいオーナーVS賃料を安くしてもらいたい借主。
土地を高く売りたい売主VS安く買いたい買主。
双方の主張はいつも正反対。その間に入り、どちらにも納得してもらって気持ちよく契約を結び、維持してもらうこと。その〝間を取り持つ〞ことが、土井さんの仕事です。
とことん話を聞き、一人では仕事をしない
「思い」はしっかり伝える
「ちゃんと聞かないと恐いです」と土井さん。
時には電話を取った瞬間、受話器の先から激しい怒りの声が聞こえることも。オーナーと借主、利害の異なる「思い」をより良い印象で相手に伝えるのは、この仕事の難しいところ。
「とにかく聞き役に回って話をしっかり聞きます。そして自分の知識に加え、必ずチームの仲間や上司の意見をすり合わせて考えます」。
そんなしっかり者の土井さんですが、帰り道では気持ちが沈み、気がかりで夜も眠れないことも。それでも
「常に新しい方とお出会いできることが魅力。案件ごとに疑似体験しながら、さまざまな方々の人生に携われて…。毎日が違う何かであふれています」
と笑顔。
仕事の種類は同じであっても、その中身は毎回新しい。土井さんが仕事仲間や上司、さらには社長にまで信頼が厚いのは、6年のキャリアを積んでもなお〝仕事に恐れを持っていること〞。それは、誰もが失ってしまいがちな〝初心〞を忘れないでいるから。
マニュアルがない後進に伝える役割
お客さまへの対応は十人十色。入社したての社員は戸惑うことも。
土井さんは
「会社の方向性を次の世代に伝え、意思を継いで行ける人を育てたい」
と次なるステップを上がっています。
取材:2017年12月