地蔵に水掛け「わっしょい」 江迎千灯籠まつり開幕 ずぶぬれで無病息災願う

 長崎県北を代表する晩夏の夏祭り「江迎千灯籠まつり」(江迎町千灯籠奉賛会、実行委主催)が23日、佐世保市江迎町で始まった。幕開けを告げる「水かけ地蔵町内巡歴」では、子どもたちが地蔵を載せたみこしを担いで町内を練り歩き、沿道の人や子どもたちが地蔵に水を浴びせて無病息災を祈願。夜は約1万個の灯籠と打ち上げ花火が旧宿場を温かな光で包んだ。24日まで。
 子どもたちが町内の寿福寺に安置されている地蔵と水遊びをして疫病を追い払った言い伝えがあり、「水掛け地蔵まつり」として500年以上の歴史がある。まつりに合わせて灯籠をともす風習が広まり、「江迎千灯籠まつり」として定着している。
 「水かけ地蔵町内巡歴」には町民ら約500人が参加した。寿福寺の松園光基住職が子どもたちとともに地蔵に「病気になりませんように」などと祈願し、寺を出発。近くの嘉例川では「わっしょい、わっしょい」の掛け声に合わせて地蔵に水を浴びせ、暑さを忘れるほどずぶぬれになっていた。
 夜には江迎中央公園にあるシンボルの灯籠タワー(高さ約25メートル)と町内の灯籠が点灯。午後9時ごろから約千発の花火が打ち上がり、観光客は色鮮やかに染められた晩夏の夜を楽しんだ。
 24日も午後1時から「水かけ地蔵町内巡歴」、午後9時ごろから「豪華花火大会」などさまざまな催しがある。

無病息災を願い、威勢良く水を地蔵に掛ける子どもたち=佐世保市江迎町、嘉例川
佐世保市江迎町中心部で23日、江迎千灯籠まつりが開幕した。3500個の灯籠で飾られた高さ25メートルのタワーと打ち上げ花火が競演、晩夏の夜空を彩った=午後9時23分、佐世保市の江迎中央公園

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