野菜の伝道師、ソムリエプロ最年少合格 夏休みもフル回転

 全国最年少の「野菜ソムリエ」、小学5年の緒方湊君(10)=横浜市青葉区=が1段階上の「野菜ソムリエプロ」に合格した。最年少記録を大幅に更新。夏休みには野菜の魅力を知ってもらおうと、若き伝道師としてフル回転している。

 

 日本野菜ソムリエ協会が認定する資格。7月末現在、野菜ソムリエは5万5789人、プロは2935人、上級プロは143人。難しくなるにつれて取得者も少ない。プロの最年少記録はこれまで14歳だった。

 湊君は昨年3月、両親の勧めで野菜ソムリエの講座を修了。テストに一発合格し資格を得た。最年少記録を1歳更新し、テレビなどにも出演。今回さらなる高みを目指した動機を「上級資格取得者の活躍を知り、自分ももっと幅広く活動したいと思った」と話す。

 今回は記述試験が3回目、面接が2回目の挑戦でそれぞれ通過した。「トレーサビリティー(生産流通履歴)、WTO(世界貿易機関)など知らない用語も多く、習っていない漢字も勉強した」と振り返る。7月16日付で届いた合格の知らせに「喜びもあったが、試験から解放され、ほっとした気持ちが大きかった」と吐露する。

 8月は6回にわたり、就職情報会社が展開するセミナー「自由研究 野菜のひみつ」の講師も務める。台本は父、智さんと作成、クイズ形式で進める。「レタスは95%が水分。切り口の小さい方が蒸発しにくい」などのコメントに、参加した親子が熱心にメモを取った。

 9月には同世代と一緒に収穫体験も予定され、心待ちにする。湊君は自宅近くで家庭菜園の畑を借り、指導を受けながら家族で栽培もする。「たとえばオクラにはきれいな花が咲く。その花が食べられることなども伝えたい」と話す。

 8月26日には、都内で野菜の日(8月31日)を控えた協会主催のイベントにも登場。「おいしくて、栄養価もある、あまり知られていない野菜や果物の存在を広めていきたい」と奔走する。

家庭菜園する畑で、ミニトマトを手にする緒方君=横浜市青葉区

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