中学デリバリー給食 利用しやすく 相模原市、弁当持参できない生徒ら支援 

 相模原市は9月から、家庭環境などで昼食を用意できない中学生に、デリバリー給食を提供する支援制度をスタートさせる。また、学用品や給食費の一部を援助する就学援助対象の中学生に、希望に応じて費用補助ではなく直接デリバリー昼食を提供する現物給付方式に切り替える。育ち盛りの子どもたちが安心して昼食を取れるように制度を整える。

 市立中でのデリバリー給食は、センター方式で全生徒に提供する津久井地域の7校を除き、30校で実施されている。栄養士が献立をつくり、民間調理事業者が調理。ご飯とおかずがそれぞれ入ったランチボックスの形で学校に届けられる。市教委によると、30校の生徒のうち約40%が利用し、残る生徒のほとんどは弁当を持参している。

 だが、昨年8月の調査で30校のうち数人の生徒が昼食を食べたくても用意できないでいる実態が分かった。このため、昨年度からは臨時措置としてこれらの生徒に給食を無償提供している。9月からは制度化し「家庭環境により昼食を用意できない生徒」を対象にデリバリー給食を無償提供する。

 一方、市が学用品や給食費の一部を援助する就学援助認定者が7月末現在、30校で2090人いる。これまで、3カ月ごとにデリバリー給食の費用(3カ月で1万7100円)を、保護者から事前に払い込んでもらい、事後に市が補助金を提供していた。だが、事前の立て替え払いが保護者の負担になるとして、生徒にデリバリー給食を直接提供して食べてもらう「現物給付」に切り替えることにした。

 加山俊夫市長は「成長期の子どもが心配なく食事を取れるように制度化する。この制度が単に食事を提供するだけでなく、昼食を用意できない子どもの環境をしっかりと把握し、解決を図ることにつながれば良いと思う」と話した。

相模原市のデリバリー給食(同市提供)

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