「夢は必ずかなう」 脱サラ棋士が横須賀で講演

 サラリーマンを経て35歳で将棋のプロ棋士となった瀬川晶司五段(48)の講演会が26日、横須賀市東逸見町の逸見コミュニティセンターで開かれた。約110人を前に歩みを振り返った瀬川さんは、「諦めなければ、夢は必ずかなう」と語りかけた。

 横浜市出身の瀬川さんは、中学3年でプロ棋士養成機関の「奨励会」に入会したが、プロになれずに年齢制限で退会。27歳で大学に入学、卒業後はサラリーマンになったものの、2005年に行われた戦後初のプロ「編入試験」で合格し、念願のプロとなった。

 講演では、担任に褒められ将棋が好きになったことや、鍛え合ったライバルがいたことなど、小中学校時代を紹介。プロ棋士の夢が消えた際は、将棋関係の持ち物を捨て「もう二度と指すことはないと思った」と述べた。

 だがその後、ライバルと将棋を指したことで楽しむ気持ちを思い出し、アマチュアとして活動。プロ相手に好成績だったこともあり再びプロを目指し、日本将棋連盟へ嘆願書を出したという。周囲の協力も得て試験が決まった時は「落ちこぼれの自分にも奇跡を起こせた」と振り返った。

 伝えたいメッセージとして、瀬川さんは「どんなことでもいいので人に負けないものをつくる」「夢を周りに伝える」「諦めなければ、夢は必ずかなう」の3点を挙げた。講演後は指導対局も行われた。

「諦めなければ夢は必ずかなう」などと話す瀬川さん=逸見コミュニティセンター

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