境内に響く秋の音 川崎で恒例の「鈴虫祭り」

 厳しい残暑に涼音を-。愛好家が育てたスズムシを配る恒例の「かわさき鈴虫祭り」が26日、川崎市中原区宮内の常楽寺で開かれた。5千匹ほどが配られ、「秋の虫」を求める親子連れらが、汗を拭いながら長い列を作った。

 区内の愛好家らでつくる新城鈴虫愛好会(矢野和昭会長)の主催。祭りは、スズムシの飼育を通じ、子どもたちに生命の尊さを感じてもらうことを願って毎年行われ、今年で37回を数える。

 メンバーが自宅で飼育するスズムシを持ち寄り、雄雌合わせて数匹ずつを配った。家族で来ていた池田遼希君(9)は「去年は卵も産んだ。今年も大事に育てたい」とにこにこ。

 矢野会長は「丁寧に面倒を見て、小さな命を慈しんでほしい」と話した。

 同会は市にも千匹を寄贈。市は市内の高齢者や障害者施設をはじめ、保育園やこども文化センターなどに配布する。

スズムシをケースに入れてもらい笑顔の子どもたち=川崎市中原区の常楽寺

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