若者 のんのこ「道行き」継承 諫早東高生が愛好会

 両手に小皿2枚を持って踊る長崎県諫早市の民謡「のんのこ節」のうち、古い歴史を持つ「道行き」を継承しようと、同市森山町の県立諫早東高(河野康宏校長、213人)の生徒20人が「のんのこ愛好会」を結成した。9月16日の第21回のんのこ諫早まつりでの初舞台を前に練習に励んでいる。
 宴会などで披露されるのんのこ節のうち、「道行き」は町中踊り向けに振り付けられ、のんのこ節の正調といわれる。男性も参加できる「新のんのこ」、アップテンポの「まつりのんのこ」が加わったが、習熟度が高い「道行き」の踊り手が減少。市民有志が今年、諫早のんのこ節・皿踊り「道行き」若者継承実行委(池田光利委員長)を発足。地域活性策を支援する本年度の市ビタミンプロジェクトに採択された。
 同校愛好会は、同実行委の活動“第1号”。踊りを長年教える緒方美智代さんら3人が7月から指導。生徒たちは踊りの基本形やフォーメーションを身に付けるとともに、指導の様子をビデオで撮影している。
 奥野優希さん(17)=2年=は初めての挑戦。「手の動きが複雑だったが、頑張って学校をアピールしたい」と意欲。山本翔さん(15)=1年=も「男女で足運びが違う点など学校で学んだのんのこと違った」、水江龍斗さん(16)=同=は「諫早の伝統を若い世代に伝えたい」と話した。
 今年の同まつりは9月14日の前夜祭を皮切りに、15、16日に東小路町の中央交流広場で開かれる。同校愛好会は16日午後4時、ふるさと芸能の祭典第2部に登場。練習風景などの映像を会員制交流サイト(SNS)などで発信。同実行委は引き続き、若い世代のグループを募っている。

小皿をカチカチ鳴らしながら踊りの練習に励む諫早東高のんのこ愛好会=同校

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