十日町などで「大地の芸術祭」自由な小建築が集合 金属加工の現代アートも

 十日町市、津南町など越後妻有地域を舞台にしたアートトリエンナーレ「大地の芸術祭」が3年ぶりに開催されている。会期は9月17日まで。00年から3年に1度のペースで開催され、広大な自然と素材が調和した作品群を楽しむことができる。

 十日町市中心部にあるキナーレでは建築家、大学、設計事務所、アーティスト等によるコラボレーションが開催中。鴨長明の方丈記を現代風に解釈し、4畳半に独自の世界観を創り上げた。

 さまざまな素材で作り込まれ、一般的な建築の概念から解き放たれるような自由な空間が出現している。

 金属関連では「SHIFTING STRINGS」が線材を加工したワイヤーフレームで複雑な空間認識を再現し、繋ぎ目のない不思議な視覚効果で訴える。

 「みずたどり」は木材の陳列棚に水にまつわる素材が置かれ、中心部に大きなミラーボールのような物体が回転する。

 「多孔体」は4畳半の内部に2畳の和室を入れ込んだ入れ子構成の建築を提案。

 前田建設工業建築事業本部建築設計統括本部が製作した「方丈記『試機』」はノスタルジックな自然、風景を標本として封じ込めた。

 イベントには地元企業等が協賛し、鉄鋼関連ではJFEエンジニアリングが名を連ねている。

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