ごみ屋敷の廃棄物を横須賀市、強制撤去 代執行は県内初

 横須賀市は28日、大量のごみを堆積させて近隣の生活環境を損ねたとして、条例に基づく行政代執行で、市内に住む50代の男性の自宅敷地内から、廃棄物を強制撤去した。市によると、いわゆる「ごみ屋敷」への代執行は県内では初めて。

 市は午前9時から午前11時35分ごろまで、撤去作業を実施。6人の作業員が、ベランダや庭など自宅の外に散乱しているごみ計約1・7トンを回収した。

 市は今回、「本人の所有物もあり、廃棄物との区別を判断するのが難しい」との理由から、自宅の中のごみを対象外とした。強制撤去にかかった費用は全額を後日、男性に請求する。

 市は4月、「ごみ屋敷」を改善するよう指導、勧告、命令をし、従わない住民の氏名や住所を公表するほか、最終手段として代執行を行うことを盛り込んだ条例を施行した。

 男性が再三の指導にも従わなかったため、市は今月10日、条例に基づいて男性の氏名と住所を公表。24日正午までに現状が改善されなければ代執行を行うことを通告していた。

50代の男性の自宅の外に散乱したごみを集める作業員=横須賀市

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