「落し物」と書かれた小さな板

 長崎市川口町の浦上駅前バス停横の街路樹付近に、「落し物」と書かれた小さな板(縦約40センチ、横約20センチ)が、ひっそりと置かれている。板に打ち込まれたくぎには、鍵やヘアゴム、お守りなどが掛かっている。
 毎朝バス停近くを清掃している住民たちが5年ほど前に設置した。慌ててバスに乗る人が多いのか、小物の落とし物が多いらしい。「なくなって困っている人がいるはずだから捨てられなくて」
 中には数年掛けられっぱなしのものもあり、雨の日も風の日も、バスを待つ人の隣で、持ち主をずっと“待ち続けている”。住民は「心当たりのある人は取りに来てもらえたら」と願っている。

「落し物」と書かれた小さな板

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