カージナルスが監督代行のシルトを正式に監督に任命

日本時間8月29日、カージナルスはマイク・マシーニーの解任後に監督代行としてチームの指揮を執っていたマイク・シルトから「代行」の肩書を外し、正式に監督に任命したことを発表した。シルトは指揮を執った38試合で26勝12敗の好成績をマーク。この手腕を高く評価され、チームが後任探しに着手する前に正式に監督に就任することとなった。

記者会見に出席したビル・デウィットJr.オーナーは「(マシーニーを解任した)6週間前、我々はマイク(・シルト)が監督代行としてチームを変えてくれることを期待していた。そして、我々が望むこともできないようなこと(=予想以上の好成績)が起こったんだ。我々の見解によれば、彼は素晴らしい仕事をしているし、(今回の監督就任は)驚くべきことではないよ」と語り、シルトの手腕を絶賛。その手腕に絶大な信頼を寄せている様子だった。

もちろん、外部から経験豊富な監督を招聘することも可能だったが、カージナルスは2004年にエリアスカウトとして採用されてから組織の一員としてチームに貢献してきたシルトのキャリアを高く評価。ジョン・モゼリアック野球部門社長は「これ以上の選択肢はないと感じている」と断言し、「彼は選手やコーチングスタッフ、フロント、オーナーと良い関係を築けているし、今回の決断に至るのは簡単だった。彼には大きな信頼を寄せているよ」と誇らしげに語った。

シルトはカージナルス傘下のマイナー球団で8シーズンの監督経験があり、2017年からメジャーのコーチに昇格。クオリティコントロールコーチ、ベンチコーチを経て監督代行、そして監督に登り詰めた。デクスター・ファウラーは「彼は良いエネルギーを持っている」、コルテン・ウォンは「彼は選手が自分自身のことを信じられるようにする能力を持っている」、グレッグ・ガルシアは「あの能力は彼が持って生まれたものだと思う」と語っており、選手からの信頼度も抜群。監督就任のタイミングについては疑問の声も出ているが、監督就任自体を疑問視する声は全く上がっておらず、その事実こそがシルトの指揮官としての手腕を物語っていると言えそうだ。

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