鎌倉漂着クジラ、胃からビニール片 「海洋ごみに関心を」

 神奈川県鎌倉市の由比ケ浜海岸に漂着したシロナガスクジラの死骸の胃から、ビニール片1個が見つかったことが、国立科学博物館などの調査で分かった。同館によると、死因との関連はないとみられる。クジラは生後数カ月といい、同館は「母乳が栄養源の赤ちゃんの胃から、ビニール片が見つかることはあまりなく、非常にショック」と受け止めている。

 調査した同館動物研究部研究主幹の田島木綿子さんによると、ビニール片は透明で、縦3センチ、横3センチの正方形状に折り畳まれた状態で見つかった。何に使われていたものかは不明。

 5日に漂着したシロナガスクジラの死骸は体長10・52メートルのオス。死因について、同館は、何らかの理由で親とはぐれてしまい、単独で生きられずに死亡した可能性があるとしている。

 田島さんは、ビニール片が見つかったことについて「今回のクジラを契機に、海洋ごみがどれだけ広がっているのか、多くの人に真剣に考えてほしい」と訴えている。

シロナガスクジラの子どもと判明した死骸=6日、鎌倉市の由比ケ浜海岸

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