骨髄バンクドナー登録7362人 長崎県内 10年で2.5倍に 積極的な啓発活動奏功

 白血病など重い血液疾患の患者に、骨髄や末梢(まっしょう)血幹細胞の提供を希望するドナーとして骨髄バンクに登録している長崎県内在住者は7362人(2017年3月末現在)で、ここ10年間で約2・5倍に増えた。積極的な啓発活動が功を奏したとみられる。県はドナー登録者数7千人の維持を目標に掲げ、今後も協力を求めていく考えだ。
 ドナーは18~54歳まで登録可能だが、基本的に55歳の誕生日の前日までに登録を取り消される。日本骨髄バンク(東京)によると、人口減少や高齢化が進み、毎年2万人前後が登録を取り消されている。骨髄移植は患者とドナーの白血球型の一致が条件。血縁関係がない場合、一致する確率は数百分の一から数万分の一とされ、広くドナーを募ることが大切になる。
 骨髄バンクを通した移植は1992年ごろに始まった。県内のドナー登録者数は2007年度の2891人から増加を続け、15年度に7千人を突破。今年7月末時点の登録者数は7341人で、20~54歳の人口千人当たりでは13・07人となり、全国平均(8・58人)を大きく上回った。県は、ボランティアによる献血会場での呼び掛けや啓発活動などが奏功したとみている。
 これまでに県内在住のドナー登録者による提供は203例。県内在住の患者が非血縁者との間で移植を受けたのも205例を数える。現在、7人が県内で移植を待っている。県薬務行政室は「一人でも多くの患者を救うためには多くの方の協力が必要。ドナー登録の協力をお願いしたい」と呼び掛けている。

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