みんなでつくろうタイムマシン 渋谷の古い街並み再現プロジェクト進行

 1964年前後の渋谷を写した写真が募集されている。たくさん集めて3D技術でバーチャルリアリティー(VR)化。実際に古い街並みを歩いているような体験をできるようにする計画だ。題して「1964 SHIBUYA VR プロジェクト」。合い言葉は「みんなでつくるタイムマシン」。(47NEWS 中村彰)

 過去の写真から「記憶の中の街並み」を再現するプロジェクトを推進するため、昨年10月、一般社団法人を設立。代表理事には、日本テレビ「進め!電波少年」のプロデューサーとして知られる土屋敏男さんらが就いた。特別賛助会員にはタレントの萩本欽一さんも名を連ねている。

再現されたハチ公前広場(1964 TOKYO VR提供)

 このほど中間報告をかねてデモ作品の体験会が開かれた。VR用のマウントを付け体験してみた萩本さんは「見ようと思っても見られないものが見えちゃうんだね」と感心した様子だった。

デモ作品を体験する萩本欽一さん=東京・渋谷

 自分でも体験してみた。マウントで目をふさがれるのは少し怖いが、ハチ公前に立ってみる。ハチ公は現在とは違う位置。ぐるりと周りを見回すと、今はない池も見える。

 山手線をくぐると電車の騒音。今は渋谷ヒカリエが立つ場所にはかつて東急文化会館が立っていた。壁面の映画の大看板や屋上の五島プラネタリウムの特徴あるドームが懐かしい。

渋谷ヒカリエの前は東急文化会館だった(1964 TOKYO VR提供)

 これまでに1000枚の写真を集めたが、完全に再現するにはまだまだ足りない。意外なことにセンター街の写真がないという。事務局では「多ければ多いほどいい」と、個人、団体を問わず幅広く写真を求めている。「皆さんの写真で作る参加型プロジェクトで、押し入れのIoT化を目指します」と土屋さん。聖火ルートをたどる作品の制作も進んでいる。

 写真の投稿方法については公式サイトまで。電話は03(6821)2455。

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