イクメン視点で防災紙芝居 父親3人、避難の心得伝え

 「イクメン」の視点をちりばめた防災紙芝居を、横浜市内で子育て中の父親3人が完成させた。主人公の「防災王子」の言葉から、地震の際に命を守る大切さを楽しく学べる内容だ。9月1日の「防災の日」を皮切りに、読み聞かせの活動を本格化させる。

 紙芝居を創作したのは、NPO法人「全日本育児普及協会」代表理事の佐藤士文さん(41)=港南区=ら3人の父親。3人とも会社勤めの傍ら、同NPO法人で新米パパ向けの講座などを開いているが、備蓄などに関する助言を求められることも多いため、紙芝居で防災の知識やヒントを伝えることにした。

 4月から作成に取り掛かり、6月に完成した「おもしろ!ぼうさいかみしばい」は、登場する防災王子とスカンクのやりとりなどから避難行動の心得や家具固定の効果などを学べる。

 主に脚本を担当した佐藤さんは「5歳から10歳までの子どもを対象に表現や内容を工夫した。おやじギャグも満載で、笑いも誘います」と出来栄えに胸を張る。長男が通う小学校で読み聞かせを試したところ、上々の反応だったという。

 無料参加できる防災の日の読み聞かせは、横浜・みなとみらい21(MM21)地区のMMテラス1階で午前11時からと午後1時半からの2回行う。9月22日にも同所で同じ時間帯に実施する。

 佐藤さんは「この紙芝居を広く活用してほしいので、NPOのウェブサイトからダウンロードできるようにする。出張読み聞かせにも出向きたい」と今後の普及に熱意を示す。

創作の中心となった佐藤士文さんと、コミカルなイラストが目を引く防災紙芝居

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