キリンなど19団体「京都産原料100%ビール」醸造目指す

スプリングバレーブルワリー京都の外観

キリンや京都府など計19団体は本日、「京都産原料100%ビールプロジェクト」の開始を発表した。京都でビールが誕生して140周年目の今年、秋から数量限定で醸造を行う。京都産の使用比率を徐々に高め、2020年に京都産原料100%化を達成する計画。近年クラフトビールが全国的なブームとなっているが、原材料は、ほぼ100%が外国産であることから、原料生産からビールの醸造、消費まで京都で行うことにより、新しいモデルケース確立を目指す。(オルタナ編集部=中島洋樹)

本プロジェクトは産官学の連携により行われる。産=スプリングバレーブルワリー京都、JA全農京都など、官=京都府、亀岡市など、学=京都学園大学、キリンの計19団体が参加する。

キリンCSV戦略部によれば、今回のプロジェクトはビール産業の新しいモデルケースであるとしている。このモデルは「畑からグラスまで」(Field to Glass)と名付けられ、各関連産業が密接につながり、ビールの原料生産から醸造、提供までをすべて「京都」で行うことを目指す長期的な取り組みだ。京都産ビールは、同社が昨年京都市内に開設したパブ型クラフトビール専門店「スプリングバレーブルワリー京都」で提供される予定。

2020年に京都産原料100%化を目標に、今秋から醸造をスタートする。詳細は未定としているが、数量限定で毎年醸造を実施する。ビールの醸造は、スプリングバレーブルワリー京都内で行うとしている。

同社CSV戦略部は、京都で行う本プロジェクトに参加する理由として、「京都」の知名度を生かし、この新たなビール産業モデルを国内外に発信するためと説明する。

同社はクラフトビール分野に力を入れているほか、減少している国産ホップ農家に対し、安定供給による持続可能な取り組みにすべく支援を行っている。参加する本プロジェクトは京都産のホップ、100年を超える歴史をもつ京都産ビール麦の安定供給となるよう京都産原料にこだわり、原料から醸造、消費まで流れを作り、京都全体が活性化するよう取り組む方針だ。

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