【侍U-18代表】金足農・吉田が侍ジャパン初登板 永田監督も一安心「なんとか間に合った」

吉田・小泉のバッテリーと会話する侍ジャパンU-18代表・永田裕治監督(右端)【写真:Getty Images】

1番藤原、2番小園が5球で先制「得点できましたから」

 9月3日から宮崎市内で行われる「第12回 BFA U18アジア選手権」に出場する侍ジャパンU-18代表は31日、KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎で宮崎県高校野球選抜と壮行試合を行い、4-2で勝利した。初回に2点を先制しての逃げ切り勝ちに、永田裕治監督は「当初、頭に描いていたことはやることができました」と語り、準備が順調に進んでいる様子をうかがわせた。

 29日に行われた明治大戦に続き、1番には藤原恭大(大阪桐蔭)を起用。2番には小園海斗(報徳学園)を置き、根尾昂(大阪桐蔭)は「4番・三塁」で先発させた。この形が、初回に早速機能した。

 先頭の藤原が初球を左前へと弾き返すと、俊足を武器に一気に二塁を陥れた。続く小園が4球目を右前に運んで、いきなり1点を先制。さらには、先発投手ながら5番に据えた野尻幸輝(木更津総合)が左中間を破る適時三塁打。いきなり2点を奪い、指揮官も「ああいう形で得点できましたから」と納得の表情だった。

 5回には中川卓也(大阪桐蔭)が一ゴロ失策で出塁すると、野尻がこの日2本目となる適時三塁打。さらに奈良間大己(常葉大菊川)が左犠飛を放ってリードを広げた。

 投手陣は本番に向けて、先発の野尻から山田龍聖(高岡商)、市川悠太(明徳義塾)、渡邉勇太朗(浦和学院)、柿木蓮(大阪桐蔭)とリレー。2点リードの9回には吉田輝星(金足農)が侍ジャパン初マウンドに上がり、最速149キロの真っ直ぐで1イニングを無失点に封じた。

 甲子園での激闘を考慮し、疲労を取ることを最優先にさせてきた吉田。大会前最後の実戦でマウンドに上がることができ、指揮官は「当初、吉田はここ(壮行試合)は難しいと思っていました。なんとか間に合った。予選リーグは厳しいかなと思っていて、スーパーラウンドからの感覚でいました」と吐露。「予選リーグの戦いとスーパーラウンドは違う。球数制限もある」とした上で、指揮官は「長いイニングを?そうですね」と、吉田の先発起用を思い描いた。

 吉田が間に合ったことで、フルメンバーで本大会に臨めることとなった侍ジャパンU-18。打線はこの日、宮崎県選抜の好投手たちに17個の三振を喫し「もう1回整備して、練習します。今日はいい勉強をさせていただいたので」と永田監督。9月3日の開幕まで、あと2日。万全の準備を進めていく。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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