【自民総裁選】安倍陣営は手応え…どうなる地方票

 安倍晋三首相(自民党総裁)が31日、横浜市で開かれた党員集会で講演し、「もう3年、日本のかじ取りを担う決意だ」と連続3選への意欲を示した。自民党総裁選への出馬を表明した安倍氏の陣営が、神奈川で開いた事実上の決起大会となった。

 約400人が集まったホールは立ち見が出る盛況ぶりで、発起人の一人、菅義偉官房長官(衆院神奈川2区)は「前哨戦としてはまずまず」と手応えを口にした。ただ、出席者からは「お付き合い」といった声も漏れ、勝敗の鍵を握るとされる地方票の行方は見通せない。

 紺色のスーツ姿で登壇した首相は、政府内で相次いだ不祥事を謝罪した上で、アベノミクスの実績や良好な日米関係などを約35分間にわたりアピール。拳を突き上げて憲法改正に意欲を示した場面では、会場から大きな拍手が起こった。

 講演後、地方議員からは「首相の気合とやる気を感じた」「国益を守れるのは安倍さんしかいない」といった声が続出。改憲に賛同する市議は、対抗馬の石破茂元幹事長の主張が「筋が通っている」としながらも、「国民議論の高まりを考えると、首相の方針が現実的だ」と語った。

 一方、一部からは「地元に総理が来て出席しないと角が立つ」「参加しないと『石破派』と思われてしまう」といった本音も。陣営サイドは「選挙はやってみないと分からない。やるべきことは全てやる」と述べ、6年前の総裁選で石破氏を下回った地方票の上積みに力を込めた。

党員集会に出席する安倍晋三首相(右から2人目)や県内国会議員ら=31日、横浜市中区

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