県被爆者手帳友愛会 中島氏が再び会長に 5月辞任も後任決まらず

 県被爆者手帳友愛会の会長を引退した中島正徳会長代行(88)が、再び会長に就任する見通しであることが31日、分かった。被爆者が高齢化し会員が減少する中、後任が決まらず、本人が意向を固めた。9月の役員総会で承認される運びで、異例の再登板となる。

 2008年から会長だった中島氏は、体力の衰えを理由に5月の役員総会で辞任。役員らに後任を要請してきたが固辞され、決まらなかった。8月下旬の支部総会で複数の会員から再就任を強く求められ、当面の間引き受けることを受け入れたという。本県の被爆者5団体のトップでは最高齢。

 中島氏は取材に「『中島さんでなければ友愛会が成り立たない』と言われて断るわけにいかない。会長が空席のままだと活動ができない。後任の候補者2人をそばに置き、養成するという条件付きで引き受ける」と話した。

 中島氏は15歳の時、爆心地から約3キロの平戸小屋町(現丸尾町)にあった三菱電機長崎製作所のトンネル工場内で被爆した。同会の会員は約1200世帯。

中島正徳氏

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