アートファンタジア 国内外の芸術家が対馬で創作

 国内外の芸術家が国境の島、対馬で創作した作品を展示する「アートファンタジア2018」が、長崎県対馬市厳原町内で開かれている。小学校の廃校舎や商店、市交流センターなど5会場で彫刻や絵画、写真、映像作品など計約40点を展示。9月30日まで。入場無料。
 古来、国境を超えた文化の往来があった対馬に芸術家を招き、地域住民との交流を図ろうと、住民や若手芸術家でつくる実行委が2011年から毎年開催。今年は日本や韓国、中国、ドイツから参加した20~60代の32人が数日から1カ月程度滞在し、対馬の自然をテーマにした作品などを制作した。
 廃校となった旧久田小内院分校では、20人の計19点を展示。このうち韓国・釜山市の現代美術家、パク・ミンギョンさん(24)は、8月上旬から約2週間の滞在で見かけた神社の鳥居やしめ縄を韓国画絵の具で紙に描き、廃教室内につり下げた金網などに張った作品を出した。見知らぬ言語や文化、人々の間にある境界線を表現したという。
 このほど同分校であったギャラリートークで、パクさんは地域住民ら約50人を前に「対馬は異なる地域の人々が互いの違いを認め、交流してきた場所。作品を見て、自分の中にある境界線を感じてもらえたら」と話した。

境界線を表現したパクさんの作品=対馬市、旧久田小内院分校

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