【MLB】田中将大、打線低調のヤ軍救う快投 NY紙は称賛の嵐「素晴らしい」「ビースト」

今季10勝目を挙げたヤンキース・田中将大【写真:AP】

7回1失点の好投で約1か月ぶり白星「タナカはマウンドのビーストだった」

 1日(日本時間2日)の本拠地タイガース戦で7回7安打1失点6奪三振1四球と好投し、今季10勝目(5敗)を挙げたヤンキースの田中将大投手。5年連続2桁勝利は黒田博樹氏(2010~14年、ドジャース&ヤンキース)に続いて日本人2人目の快挙。デビュー1年目からの達成は日本人初で、ヤンキースでもアンディ・ペティット氏以来2人目の偉業となった。打線がわずか2安打に抑えられる中、ヤンキースを2-1での勝利に導いた右腕について、辛口のニューヨークメディアは「ビースト」「低迷する打線を助けた」などと絶賛している。

 田中は初回に先頭打者からの3連打と犠飛で先制を許すも、後続を断って最少失点で切り抜ける。その後は立て直すと、4回まで1人も走者を出せなかった打線が5回に反撃。先頭アンドゥハーが四球を選び、1死からトーレスが2ランとルーキー2人で逆転に成功した。

 1点リードの7回、田中は先頭からの連打と盗塁で無死二、三塁の大ピンチを背負ったが、ここでギアチェンジ。気迫のこもった投球で最後は2者連続空振り三振を奪い、リードを死守した。この回限りで降板すると、打線は結局2安打に終わったものの、救援陣も無失点リレー。ヒット数はタイガースが9本と“圧倒”していたが、田中の好投で白星を掴んだ。

 この日、ジャイアンツから移籍してきたアンドリュー・マカッチェン外野手がひげを剃ってヤンキースデビュー。だが、ニュージャージー州最大のニュースサイト「NJ.com」は「ヤンキースのマサヒロ・タナカ、グレイバー・トーレスがアンドリュー・マカッチェンからスポットライトを奪う」との見出しで報じ、「ヤンキースの先発マサヒロ・タナカは7イニングにわたりマウンドのビーストだった」と絶賛した。記事の中で、ブーン監督はピンチを迎えた7回の場面を田中に任せたことについて「我々は(タナカが)まだ良い投球が続けられるように感じていた」と話している。

「最高の投球」「素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい登板」

 また、地元紙「ニューヨーク・ポスト」は「タナカが素晴らしい投球で低迷する打線を助ける」とのタイトルで速報。記事では「マサヒロ・タナカは1回の安定しない投球から立ち直り、ここ1か月以上で彼の最高の投球を見せた。彼が7イニングでたった1失点に抑えたことで、グレイバー・トーレスが5回に放った2ラン本塁打が勝利するのに十分な得点となった」と、田中の好投が逆転劇を呼んだと指摘。そして、「ヤンキース打線が不振の中、タナカは素晴らしい投球をした」と称えている。

 さらに、地元紙「ニューヨーク・タイムズ」は「ヤンキースは新しい選手(マカッチェン)が加わり、古い選手(サンチェス)が復帰」との見出しで伝え、「ヤンキースは主にマサヒロ・タナカの力強い7イニングの投球のおかげでタイガースに勝利した」と称賛。ESPNのコーリー・ハービー氏はツイッターで「今日はマサヒロ・タナカの素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい登板だった。彼はトラブルも抱えたが、96球を投げ、とても少ないダメージで乗り切った。彼は7イニングでたった1失点、7被安打だった」とつぶやいた。

 打線が低調な中、力投で掴み取った約1か月ぶりの白星。2014年に共にヤンキースの先発ローテーションを形成した黒田氏に並ぶ5年連続2桁勝利で、波に乗っていきたいところだ。(Full-Count編集部)

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