【MLB】大谷翔平、二刀流“完全復活”へ 監督も大きな期待「彼は野球が大好きなんだ」

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

3日のアストロズ戦で投手としても復帰「彼は全てを兼ね備えている」

 エンゼルスの大谷翔平投手が2日(日本時間3日)の敵地アストロズ戦で投手としての復帰登板に臨む。右肘靭帯損傷後、打者として出場しながら、投手としてのリハビリも続けてきた二刀流右腕。マイク・ソーシア監督は地元メディアのインタビューで期待を明かし、大谷について「彼は野球が大好きなんだ」と話している。

 大谷がメジャーで登板するのは、6月6日(同7日)のロイヤルズ戦以来。離脱するまでは、9試合登板で4勝1敗、防御率3.10、49回1/3で61奪三振という好成績を残していた。「打者・大谷」は圧倒的なパワー、そして、スピードでもメジャーに驚きを与えているが、「投手・大谷」の魅力はどこにあるのか。ソーシア監督はエンゼルス戦を中継する地元テレビ局「FOXスポーツ・ウェスト」が公式ツイッターで公開したインタビューで、あらためて説明している。

「試合の状況や打者に合わせ、カウント毎に使える選択肢がとても多い。明らかに彼は万能だ。ただ剛速球やスプリットを投げるだけの選手なのではなく、彼は全てを兼ね備えている。だから楽しみだ」

 開幕当初、特に大きな武器となっていたのはスプリット。この“宝刀“については、ソーシア監督は「明らかに打者が直球を待っている時により効果的になる。しかし、全体として彼はカウントを整える方法、打者をアウトにする方法を持っている。彼は上手くカウントを整え、自分の投球を分かっている。だからスプリットだけではないんだ」と指摘。100マイル(約161キロ)を超える剛速球とのコンビネーションでこそ威力を発揮すると見ている。

来季を見据えての復帰登板も「怪我をさせないように注意深く」

 また、エンゼルスのプレーオフ進出が絶望的となっている状況で今季中に復帰することにはリスクがあるとの声は根強いが、これについても指揮官は改めて説明。「私も彼の投球を楽しみにしている。ショウヘイにとって何が一番かを考えたメディカルスタッフの判断なんだ。彼は本当に多くのものを持っている。9月に投球して良く感じれば、良い状態でオフシーズンと来春に入れる。それは重要なことだと思う。怪我をさせないように注意深く観察していく。我々は彼を登板させることにワクワクしている」。オフ、そして来季を見据えて復帰させるものの、慎重な姿勢も忘れていないという。

 1週間に1度登板し、その前後の日には打者としては“休養”する。今季開幕直後にはこの起用法を続けていたが、登板前日にチャンスで大谷を代打起用しないことに米メディアが不満の声をあげたこともあった。指揮官はインタビューで今後の起用法について「現時点では分からない。これはメジャーリーグレベルで新しい試みなんだ」と言及。一方で、「ビリー(エプラーGM)ははっきりとしたガイドラインを示していて、それは理にかなっている」とも話し、「彼は万能な選手で、投打のどちらでもチームに貢献してくれる。彼は我々をより良いチームにしてくれるんだ」と信頼を明かしている。

 最後に、インタビュアーに「彼は野球が大好きなようですね」と振られたソーシア監督は「彼は野球が大好きなんだ。彼は自分の才能を分かっているし、自信を持っている。彼は素晴らしいシーズンを送っている」と改めて称賛した。二刀流“完全復活”へ米メディアやファンの期待は高まっているが、指揮官も興奮を隠せないようだ。(Full-Count編集部)

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