【国民民主党 代表選】叩かれても笑われても、執念で情報発信。「ひょっとして国民民主党って面白い?」と思わせられたら成功|玉木雄一郎氏インタビュー

9月4日に投開票される国民民主党代表選挙。津村啓介氏とともに立候補を届け出た現職の共同代表 玉木雄一郎氏にインタビューを行いました。
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全国を飛び回ってわかったこと。我々は「支持率が低い」のではなく「認知されていなかった」

-選挙ドットコム 編集部(以下、選挙ドットコム)
今回の国民民主党の代表選では、全国各地で討論会を開いてこられましたが、手ごたえはいかがでしょうか?

-衆議院議員 玉木雄一郎氏(以下、玉木氏)
思った以上に反応はいいですね。全国でたくさんの方に我々の政策を訴えて回って身に染みて実感したのは、私たちは今まで「国民民主党の支持率が低い」と悩んでいましたが、それ以前に「国民民主党という党がまだ認知されていなかった」ということです。
実際に我々の演説を聞いて賛同してくださった方の中にも「民主党の人だよね?」と声をかけて来る人がたくさんいて、5月に新しい党が発足したこと自体を知らない方が多いんです。今後はまず「国民民主党」の認知度を高め、同時に何を目指し、何を実現しようとしているのかを訴えていかねばならないことを痛感しました。

-選挙ドットコム
代表選を通して全国を回っていることが、国民民主党の認知度を高めるという意味でも役立っているのですね。

-玉木氏
そうです。多くの方に党の存在を認知していただけただけでも、代表選をやってよかったと思っています。

自民党も9月に総裁選を行いますが、自民党は国会でも総裁選でも、どうも議論を避ける傾向にあります。ですが、私たち国民民主党は「議論しすぎる」ほどに議論し続けてきました。私と津村さんが政策で真剣勝負する姿勢を見ていただけたら、私たち国民民主党の考えをより多くの方に伝えられると思っています。そして、今回の代表選では、互いの主張のぶつけ合いに終始せず、議論するという過程を経ることで党としての政策はさらにブラッシュアップされていくことになるのです。

実際、津村さんと私の主張の違いは全国で討論を重ねるうちにかなり近くなってきたように感じています。代表選でどのような結果が出ても、党一丸となって新しい代表の下、全力で政策を実行していけるという手ごたえも感じました。

まずは「知ってもらう」ために。党の全員が執念で伝え続けるチャレンジ心を共有する

-選挙ドットコム
玉木さんと言えば最近ではユーチューバーとしてデビューを果たしたり、積極的にTwitterを使うなど、ネット関連の話題が多い印象です。

-玉木氏
情報発信を既存の新聞やテレビなどのメディアだけに限っていたら、これからの未来を担う世代に私たちの思いは届きません。小学生のなりたい職業の第二位が「ユーチューバー」の時代なんですから、その彼らを大切にするための政策を提案している私たち国会議員がYoutubeなどのネットツールを使って情報発信するのは当然のことだと思います。
インターネットやIT技術は、情報発信ツールとして非常に有効なだけでなく、これからの社会の仕組みの中にもどんどん取り込んでいくべきテクノロジーでもありますし、これからも活用していきます。

-選挙ドットコム
実際にユーチューバーとして活動してみたご感想はいかがですか?

-玉木氏
かなり批判もされますけど、ちゃんと見ていただければ、けっこうまともなことをやってるんですよ。他のユーチューバーの方には「政治家の域を出ていない」って批判されましたが「いや俺は政治家だからさ」って開き直ってやってます。まだまだ試行錯誤中ではありますが、これからさらにいろいろなことに挑戦していきたいと思っています。

動画用のインタビューを新橋などでしていると「玉木さんですよね、Youtube見ました」って声をかけられることも増えてきました。私や国民民主党を知ってくださる方が増えれば、私がユーチューバーになった意味は大いにあります。

-選挙ドットコム
ネットの活用という点では、今回の国民民主党の代表選では党員投票にネット投票を取り入れられていますね。

-玉木氏
公党では初めてのネット投票の導入となります。投票はQRコードで、すぐに簡単にできるようになっています。

投票中に、たとえもし何かトラブルが起こったとしても、その経緯も含めてネット投票のノウハウを現在の政府に共有してもいいと思っています。7万人以上の党員サポーターが投票に参加するわけですから、参院選や衆院選などのネット投票の実現に必ず役立つはずです。

-選挙ドットコム
たくさんの新しい挑戦をされているとのことですが、その分、失敗や批判もあるかと思います。

-玉木氏
5月に国民民主党を結成してからこれまで、党の組織作りや政策作りなどに集中してしまい、多くの人に「知ってもらう努力」をしなかったことこそ、我々の大きな反省点だと感じています。支持率が上がらないのは、政策の良し悪し以前に、認知されていなかったからです。我々の、伝える執念が足りなかったからなんです。

私自身も民主党時代に与党を経験し、慢心していたのかもしれません。守る姿勢ばかりが強くなってしまっていた気がします。ですが、私たち国民民主党の国会議員たちは、もともと地盤があって人脈も金もある世襲議員などとは違い、官僚やサラリーマンを辞めて身一つで政治の世界に飛び込んだ「政治のベンチャー集団」なんです。考えてみれば、守るものは自分たちの信念のみです。

政治を志した当時の熱を思い出し、使えるものは何でも使ってチャレンジャーとして死に物狂いで伝えていく、失敗を恐れずに新しいものに挑戦し、取り組んでいく姿勢が大事です。

明るい党首でいてこそ明るい未来を予感させる「面白い党」になれる!

-選挙ドットコム
信念として、積極的に情報を発信されていらっしゃるとのことですが、批判を受けることも多いかと思います。

-玉木氏
私も人間なので、ネットで批判をたくさん受けますと、一瞬折れそうにもなりますよ。でも挑戦に失敗はつきもの。Twitterで1日に800件程度批判を受けたときには、けっこうへこみもしますが、それでも一晩寝たら忘れます(笑)。

だって、誰もが暮らしやすい社会を作ろうとしている政党の党首が、暗い顔してちゃダメでしょう。失敗しても批判されても明るい顔でまたチャレンジする党首のいる党こそが、人々に明るい未来を予感させるという信念を持ってやっています。

うちは小さな党ですから、組織の中だけでは総出で知恵を絞っても限界があります。党員・サポーター、そして私の情報発信にどんな形であれ反応を返してくれる人の声や知恵も取り込んでいかないと生き残れません。だからこそコミュニケーションツールとしてとても有能なネットでの情報発信は、どんなに叩かれたって、やめません。

代表の私が笑われたり、批判されて話題になる過程で「こんな政治家が党首なんて、ひょっとして国民民主党って面白いんじゃないか?」と思ってもらえたら、大成功です。

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