ダカール覇者カルロス・サインツ、2019年に向けX-raidと契約。MINIをドライブへ

 ワークス活動最終年のプジョースポールとともに、2018年大会のダカールラリーを制したカルロス・サインツが、元同僚のステファン・ペテランセルやシリル・デプレの後を追うようにX-raidと契約。ディフェンディングチャンピオンとして挑む2019年大会に向け、MINIバギーをドライブすることになりそうだ。

 2WDのバギーが優位な近年のダカールラリー規定に対応すべく、2018年大会には新たに『ミニ・ジョン・ クーパー・ワークス・バギー』を開発。従来モデルの4WDマシンである『ミニ・ジョン・ クーパー・ワークス・ラリー』との共闘態勢で挑んだX-raid陣営。

 そのX-raidは、2018年大会で2度目のダカール優勝を飾ったカルロス・サインツに対し、『ミニ・ジョン・ クーパー・ワークス・バギー』のテスト機会を提供するなど、2019年に向けたドライバー契約締結に前向きな姿勢を示してきた。

 プジョーのワークスマシン『3008DKR Maxi』をドライブして大会勝利を挙げた1月以降、「魅力的なオファーがあれば検討するが、そうでなければ現役引退」と語っていたサインツは、WRC世界ラリー選手権時代にともにタイトルを獲得したトヨタ陣営の『ハイラックス・エボ4×4』もテスト。TOYOTA GAZOO Racing SA(South Africa)とも契約交渉を進めてきた。

 その両チームの条件を検討してきたサインツは、結果的に元三菱自動車のモータースポーツ統括会社MMSP GmbHの社長を務めた経歴も持つ、スヴェン・クワント率いるX-raidとサインすることを決断した。

■サインツのX-raidデビュー戦はFIAクロスカントリー・ラリー・ワールドカップの第10戦ラリー・デ・モロッコか

 サインツにとっては、X-raidのチーム前線部隊とドイツBMW本社との高い連携と緊密性が魅力的に映ったといい、チームにとってはプジョースポールでこれまで培ってきた2WDバギー開発のノウハウを、そのまま『ミニ・ジョン・ クーパー・ワークス・バギー』に注入することができる、サインツの開発能力に大きな期待を寄せているという。

 サインツのX-raidでの初仕事は、10月4〜9日にかけて開催されるFIAクロスカントリー・ラリー・ワールドカップの第10戦ラリー・デ・モロッコになるとみられ、元同僚で同じく新加入のデプレとともに『ミニ・ジョン・ クーパー・ワークス・バギー』のステアリングを握る予定だ。

 デプレと同様にプジョースポールからX-raidに移籍したペテランセルは、そのフランスチームとの契約が終了する9月末まではチームに合流することができず、デビューはやや遅れる模様となっている。

 これで2019年大会に挑むMINI X-raidは、レギュラーのホアン-ナニ・ロマを加えて、サインツ、デプレ、ペテランセルの豪華布陣で『ミニ・ジョン・ クーパー・ワークス・バギー』を投入。

 ナッサー・アル-アティア、ジニール・ドゥビリエのTOYOTA GAZOO Racing SA『トヨタ・ハイラックス・エボ4×4』との勝負に臨み、2012年から15年に達成した大会4連覇の再現を狙っている。

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