米で被爆地の文化発信 2020年にポートランド日本庭園 長崎市長に協力依頼

 戦後75周年の2020年、被爆地の長崎と広島の文化を発信する事業「平和の年」が、米オレゴン州にあるポートランド日本庭園で計画されている。同庭園のスティーブン・ブルーム最高経営責任者(CEO)が3日、長崎市役所に田上富久市長を訪ね、協力を依頼。同年春、長崎で国内外の著名人を集める関連イベントを実施したい考えも示した。
 同庭園は1963年に作庭し、広さ約4万8千平方メートル。庭園文化の普及に加え、工芸品の展覧会や和楽器の演奏会など日本に関する年間約300のイベントを開き、年間約50万人が訪れるという。今年から各地域の祭りや食などの文化を発信する事業を展開。2018年は京都、19年は北海道、20年は「平和の年」と題し長崎と広島の歴史や文化を伝える。
 ブルーム氏は、本県ゆかりの文化人を招いたシンポジウムや長崎の工芸品を用いた展示即売会などを開きたいと構想を説明した。
 芸術家オノ・ヨーコ氏ら著名人を「大使」として各イベントに参加させたい考えも示し、「長崎、広島と協力して平和のメッセージを世界に届けたい」と呼び掛けた。
 田上市長は「文化を通じて平和を発信するのは意味のあること。広島と協議しながら協力できることを検討したい」と話した。

平和の年の事業を紹介するブルーム氏=長崎市役所

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