豊田通商など3社、自動車の樹脂再利用今年度も実証事業継続

 豊田通商は3日、矢野経済研究所、「いその」とともに実施している「自動車に使われている樹脂素材を自動車に再利用する」可能性を探る実証事業を18年度も継続することを決めた、と発表した。これまでの実験結果を踏まえ、使用済自動車に含まれる樹脂部品・素材を可能な限り環境負荷が少ない方法でリサイクルし、持続可能な形で資源の有効利用を行う目的。自動車は省エネ・軽量化ニーズが高まる中で鉄から樹脂への使用素材変化も進んでいる。このため、自動車で使用する樹脂の再利用が課題になっており、豊通などはこの解決策を探る。

 実証は、自動車リサイクルに関わる審議会等で提言されている「自動車リサイクルの高度化及び自動車ユーザーのリサイクル料金負担低減」に資する実証事業として、自動車リサイクル高度化財団による「平成29年度自動車リサイクルの高度化等に資する調査・研究・実証等に係る助成事業」に採択されたもの。

 自動車に現在使用されている樹脂は、リユースやマテリアルリサイクルが難しい部品・材料が多く、ASR(自動車シュレッダーダスト)の一部としてサーマルリサイクルするケースが多い。樹脂部品のマテリアルリサイクルが進めば、ASRが減り環境負荷軽減にもつながる。

 昨年度は、自動車メーカー各社が選んだ外装品7点を、中部地区の協力解体事業者6社で回収。部品解体・回収方法を検証した。

 その結果をふまえ、今年度は新たに内装品4点を回収対象とし、樹脂部品の劣化度合等をいそので検証し、得られたデータと解決すべき課題を矢野経済研究所がまとめる計画。また、品質、価格で競争力のある再生樹脂の開発にも取り組む予定。

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