先日いわゆる「コミュサカ」界隈で大きな話題になった出来事がある。
今年名前をアミティエ京都から変更した「おこしやす京都AC」が、なんとアフリカから選手を獲得したのだ。
J1、J2、J3、JFLの下となる5部の関西リーグへとやってきたのは、ガーナ代表(正確には国内リーグ選抜チーム)の経験もあるFWエリック・クミ選手だ。
もちろんアマチュアが主体の関西リーグに所属しているクラブとしては異例の補強だ。
期待と不安が入り交じる中、エリック・クミは8月25日のバンディオンセ加古川戦でデビュー。ゴールを決めて4-1の勝利に貢献した。
さらに2日に行われた関西リーグ第11節の阪南大クラブ戦でもチームの3点目を決め、デビューから連続ゴールを記録している。
この活躍によってエリック・クミの評価は今高まっており、クラブも関西リーグ首位浮上に向けていい流れを作れている。
そして、彼はおこしやす京都ACに来る前から日本と少し関係があったことも知られている。
エリック・クミは2013年から3シーズンの間、ガーナの名門クラブであるハーツ・オブ・オークに所属してプレー。その時の監督が、あの八橋健一氏だったのだ。
八橋健一氏は自身のツイッターで「教え子」の活躍に喜びを見せつつ、Jクラブがチェックすべき存在であると示唆。
エリック・クミ選手自身もJリーグへのステップアップを望んでいると視野に入れての来日であるとのこと。今後の活躍によっては…。
Jにとって、アフリカはまさに「未開拓」の地だ
先日Jリーグの柏レイソルにもアフリカ人選手がやってきた。そう、ケニア代表FWのマイケル・オルンガだ。
8月半ばに選手登録を終えたオルンガは、先日行われたJリーグ第24節のV・ファーレン長崎戦で初ゴールを奪取する活躍を見せた。
オルンガが以前所属していた中国のリーグでは、多くのアフリカ人選手がプレーしていることで知られる。
高い身体能力を備えた選手が多く、特に個人での打開力にかけては優れたタレントが輩出されるアフリカ各国。そのポテンシャルを利用しようとしているクラブがいくつもある。
一方、日本のリーグで活躍したアフリカ人選手はあまり多くはない。
あの「浪速の黒豹」ことパトリック・エムボマ、そしてJから世界へ羽ばたいたドゥンビア・セイドゥ、長く活躍するピーター・ウタカら以外は、全国に名を轟かせるほどの存在にはならなかった。
今季はエリック・クミとマイケル・オルンガ、さらにオリヴィエ・ブマル(横浜F・マリノス)、リンジェ・ジャブラニ・アリ(Y.S.C.C.横浜)、さらに上記のピーター・ウタカが日本でプレーする。
ウタカに加えて、4名の中で大ブレイクを果たす選手が出れば、さらにアフリカ人選手を獲得したいというクラブも現れるだろう。
金銭的には中国のリーグにアドバンテージがあるとはいえ、Jリーグは現在外国人枠の増加を検討しているという強みもある。
もしかしたら、来季は日本のサッカー界にアフリカ旋風が巻き起こるかもしれない?