いじめ、児童虐待LINEを活用 神奈川県と、鎌倉市が連携協定

 神奈川県と鎌倉市は4日、無料通信アプリを手掛けるLINE(ライン)と、会員制交流サイト(SNS)を活用した相談事業の強化や行政サービスの効率化に向けた包括連携協定を結んだ。

 県と結んだ協定では、いじめ、児童虐待、女性の悩みなどの相談をラインで受け付けるほか、災害情報の発信、スマートフォン用アプリ「マイME-BYO(未病)カルテ」の普及啓発などにラインを活用。さらに、決済サービス「LINE Pay」(ラインペイ)の機能を拡充し、現在の県営上下水道料金に加え、全国で初めて自動車税の支払いにも導入を検討するとしている。

 一方、鎌倉市では、転出入や結婚、出産などに関する行政手続きの案内から市役所に提出する書類の入出力までを一括して行えるシステムを年内をめどに始めるほか、鎌倉文学館など公共施設3館の入館料をラインペイで支払えるようにする。

 県庁で行われた締結式では、黒岩祐治知事が「県民サービスの向上が図れる。今後の新しい連携事業の広がりに期待している」とあいさつ。松尾崇・鎌倉市長は「新しい課題にチャレンジしていく気概をもって締結した。市民が豊かに生活できるよう取り組んでいきたい」とし、ラインの出澤剛社長は「広域自治体、基礎自治体と共通の目的を目指した連携協定は初めて。まずは地域情報発信の充実強化を目指していきたい」と話した。 

協定を結んだ(左から)LINEの出澤社長、黒岩知事、松尾市長ら=県庁

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