かんころ餅 春日の特産品に 佐世保の業者と開発 サツマイモは新上五島産 世界遺産で連携 平戸

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産、春日集落(平戸市春日町)の棚田米を使ったかんころ餅を新たな特産品にしようと、佐世保市で菓子製造・販売を手掛ける草加家(高木龍男社長)と地元住民が取り組んでいる。原材料には新上五島町で収穫されるサツマイモも使用、同じ構成資産を持つ自治体間の連携を図り、活性化につなげたい考えだ。
 住民の棚田保全への機運を高めようと、7月に市が高木社長(55)と集落のまちづくり団体「安満の里 春日講」(寺田一男会長)に提案。高木社長は小粒で甘い棚田米の特長を生かし、かんころ餅を製造する機械が五島全域に普及する1970年代より前の米、芋の粒感のある素朴な味を目指し試作を重ねた。
 1日夜、春日町公民館で住民らを招いた試食会があり、高木社長は真空パック入りの縦約8センチ、横約5センチの一口サイズのかんころ餅を披露。湯煎やあぶり、電子レンジを使った調理で味見をしてもらい、参加者からは「昔懐かしい味がしておいしい」「芋の量を減らせばさらにおいしくなる」などの意見が出された。
 高木社長は「過疎、高齢化が進む地域の再生につなげたい」と話した。新上五島町も芋の安定供給を目指したいとしており、年内にも商品化する予定。

試作品を披露する高木社長(右)=平戸市春日町
真空パックに入った試作品のかんころ餅(左側)

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