アウディ、新型A8に量産車初のレーザースキャナーによる運転支援システム搭載

アウディ 新型A8

アウディの技術的ショーケースとして進化

アウディ ジャパンは、アウディのフラッグシップセダンであるA8を8年ぶりにフルモデルチェンジし、2018年10月15日より発売する。価格(消費税込)は1140万円~1640万円となる。

アウディ A8は、常に初代から技術の最先端を歩み続けてきたフラッグシップセダンで、アウディスペースフレーム(ASF)、高効率直噴エンジン、アダプティブエアサスペンション、前後不等分トルク配分のquattro(フルタイム4WD)、フルLEDヘッドライト、最先端のドライバーアシスタンスシステム、そして常に最新世代のMMIインフォテイメントを採用するなど、アウディの技術的ショーケースとしての役割を受け持ってきた。

デザインとマルチマテリアルのASF

アウディ 新型A8 L 60 TFSI quattro 『Audi A8/A7 Sportback Press Cnferense』
アウディ 新型A8 60 TFSI quattro 『Audi A8/A7 Sportback Press Cnferense』

エレガントかつ先進的、 そしてスポーティさも兼ね備えたエクステリアは、 新型A8の機能的特徴である軽量構造や優れたパフォーマンス、 quattroなどのユニークな価値観を余すところなくデザインとして映し出している。

ボディサイズは全長5170mm×全幅1945mm×全高1470mmで、ホイールベースは3000mmという堂々としたスタイリング(Audi A8 Lは全長、 ホイールベースともに+130mm)。 車重A8 55 TFSI quattroで2040kgに収まっている。なお、トランク容量は505リットル(VDA法)となる。

ボディストラクチャーはアルミニウム、スチール、マグネシウム、そしてカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)を効果的に組み合わせた複合素材で構成され、極めて高強度・高剛性を誇る。

異なる素材を精密かつ耐久性高く接合するため実に14種類もの接合技法が投入されており、その結果として、正確なハンドリングや静粛性を実現し、先代比24%アップの捩じり剛性を持つ、パフォーマンスの高いボディとなっている。

レーザースキャナーで高精度な運転支援システムを実現

新型A8には、量産車として世界初の搭載事例となるレーザースキャナー(フロント:1基)を始め、ミリ波レーダー、カメラセンサー、超音波センサーを合わせて最大23ものセンサーを搭載する。

またこれらセンサーからの膨大な情報を統合的に分析して、高度な周辺環境モデルを構築する、セントラル ドライバーアシスタンス コントローラー(zFAS)を採用。これにより人間の感覚に近く、遅れの少ない自然な制御を実現している。

新たに追加された機能としては、見通しの悪い交差点でのフロントクロストラフィックアシストや、全方位からの事故を予防し、被害を軽減するプレセンス360、従来のアダプティブクルーズコントロール(ACC)、アクティブレーンアシスト(ALA)、トラフィックジャムアシストの3つの機能を統合したアダプティブドライブアシスト(ADA)などがある。

また、車両前方を監視するセンサーからの情報を用いて、32個のLEDを個別に点灯制御することにより、前走車および対向車のドライバーを眩惑することなく、最大限の照射範囲を実現するHDマトリクスLED。さらに、70km/h以上で作動し、一般的なハイビームの2倍の照射距離を持つアウディ レーザーライトを備え夜間走行時の安全性に大きく貢献する。

マイルドハイブリッドドライブシステムを採用した高効率エンジン

アウディ 新型A8 60 TFSI quattro 『Audi A8/A7 Sportback Press Cnferense』

新型A8のエンジンは、250kW/340psの3リッターV型6気筒直噴ターボ(Audi A8 55 TFSI quattro)と、338kW/460psの4リッターV型8気筒直噴ツインターボ(Audi A8 60 TFSI quattro)の2種類のガソリンエンジンを用意。

これらは軽量アルミ合金クランクケース、90度のVバンク角、バンク内ターボチャージャーなど、多くの技術を共有するモジュラー型の高効率エンジンだ。

3リッターは先代比+22kW/60Nm、4リッターは18kW/60Nmの強化を果たした一方、燃費は55 TFSI quattroで10.5km/L、60 TFSI quattroで8.7km/L(数値はともにJC08モード)となっている。

トランスミッションはともに8速ティプトロニック(トルクコンバーター付きAT)で、quattro(フルタイム4WD)が標準装備。新型A8のquattroはセルフロッキング センターディファレンシャルを備えるタイプで、通常時のトルク配分は前40:後60の割合だが、ホイールのスリップ状況に応じて、フロントに最大70%、リアに最大85%のトルクを配分することもできる。

エンジンの技術的ハイライトとして、マイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)を搭載。これは48Vリチウムイオンバッテリーと、クランク軸にベルトを介して連結されるBAS(ベルト オルタネーター スターター)を中核技術とし、燃費の改善に貢献している。

48Vという電圧を背景として、最大12kWという高いエネルギー回収効率が特徴で、減速時には22km/h以下でのアイドルストップ&スタートを、また55~160km/hの範囲でスロットルペダルオフにすると、エンジンを停止してのコースティング(惰性)走行を可能にするなど大きなメリットがあり、欧州基準での計測では100km走行あたり0.7リットルの省燃費効果がある。

オールホイールステアリング(四輪操舵)

オプションで用意さるダイナミック オールホイール ステアリング(四輪操舵)は、65km/h以下でリアタイヤはフロントと逆方向に最大5度まで電子制御により操舵され、特に都市部での取り回しの良さに貢献。これにより最小回転半径は先代都比較して約0.5m小さい5.3mとなる。中高速では、リアタイヤはフロントと同方向に操舵され、操縦安定性を向上させる。

前後サスペンションアームは、ほぼすべてがアルミニウム製であり、従来品に比べ軽量化。標準装備される電子制御式可変ダンパーと組み合わせたエアサスペンションは、アウディドライブセレクトによってコンフォート、オート、ダイナミックなどモード変更が可能となっている。

MMIタッチレスポンス

アウディ 新型A8 L 60 TFSI quattro 『Audi A8/A7 Sportback Press Cnferense』

先代より広くなったインテリアは、水平基調のデザインが空間の余裕を強調。また、ボタンの代わりにタッチ式スクリーンを採用したことで、クリーンな統一感を演出する。

上部10.1インチ、下部8.6インチという上下に2つ備え付けられたタッチ式スクリーンは、上部がナビゲーションや各種設定などのインフォテイメントを担当し、下部は主にエアコンディショナーの操作や、手書き入力を受け持つ。

常時LTEネットワークに接続されたAudi connectによって、目的地のオンライン検索を行なったり、ニュースや天気予報といった情報取得に加えて、最寄のガソリンスタンドや駐車場検索なども可能。

地図データのオンライン更新も当初3年間は無料とし、myAudiアプリを使用すると、スマートフォンとAudi A8とを接続することが可能で、車両状況をチェックや、ドアのロック/アンロック、そしてナビゲーションに目的地情報を送ることもできる。

アウディ 新型A8のグレード及び価格

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