返礼品競争「趣旨と違う」 ふるさと納税、菅氏も違和感

 「あまりにも過度な競争になるのは、趣旨と違うのかなと思っている」。菅義偉官房長官(衆院神奈川2区)は5日の会見で、ふるさと納税制度の“創設者”として返礼品競争の過熱ぶりに違和感を表明。自治体に「節度のある健全な競争」を呼び掛け、制度のさらなる活用に期待を寄せた。

 総務相だった11年前に提唱し長官就任後も改善を図るなど、同制度への思い入れがひときわ強い菅氏。会見では、手塩にかけて育てた若者の納税先が都市部に偏っている地方の苦悩を代弁した上で、「生まれ育った場所や両親が世話になっている所に何らかの形でつながりを持ちたいと、多くの国民が思っている」と述べ、各地の絆を強める願いも込めたと振り返った。

 ふるさと納税の寄付額は5年連続で過去最高を更新し、昨年度は3600億円を突破。背景には、菅氏がリードした寄付金控除の適用下限額引き下げやワンストップ特例の実現のほか、豪華な返礼品目当ての寄付の急増があるとみられる。

菅義偉官房長官

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