【平成の長崎】長崎昆虫同好会が緊急調査 ゴルフ場予定の式見で 平成4(1992)年

 長崎昆虫同好会(会長・山口鉄男長崎大名誉教授)の有志らは4月26日、ゴルフ場建設計画をめぐって市民グループの反対運動が起きている長崎市式見地区の予定地で「昆虫相緊急調査」をした。
 会員らによると昭和55年以降、目撃記録がなかったチョウのウラギンスジヒョウモンが生息、ほかにも数百種の昆虫類がいるとみられ、「貴重な生態系を破壊する」などとして計画の見直しなどを訴えている。
 採集網や吸虫管などを手に調査に当たった病院職員は「予定地の植生、生態系ともに貴重で自然の生きた教材でもある。計画には反対せざるを得ない」と感想。高校教諭は「自然環境破壊を指摘され中止となった山口県秋吉台の牧草地改良工事のケースもあり、ゴルフ場計画は慎重に取り組んでほしい。自然は1度壊すと元には戻らないのだから」と話していた。
(平成4年4月27日付長崎新聞より)

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