【MLB】靭帯再負傷の大谷、最高のシナリオは…米記者が医師の証言からプラン示す

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

医師が証言、手術でも2019年は「レギュラーのDHとしてプレー可能」

 エンゼルスの大谷翔平投手は、右肘に新たな靭帯損傷が見つかり、靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を推薦されていると5日(日本時間6日)に球団が発表した。直後に行われた同日の敵地レンジャーズ戦では、2本塁打を含む4安打、1盗塁と打者として大暴れした二刀流右腕。いったい、来季以降どのような形でプレーすることになるのか。米国の名物記者が医師の証言をもとに占っている。

「ショウヘイ・オオタニがトミー・ジョン手術を受けた場合、2019年シーズンにどのようなプレーができるだろうか?」とのタイトルで記事を掲載したのは、米ヤフースポーツ。執筆しているのは、オープン戦で適応に苦しんだ大谷を酷評しながら、開幕後の大活躍を受けて一転して“公開謝罪”したジェフ・パッサン記者だ。

 同記者はまず記事の中で「まだ『ベストプレーヤー』ではないが、ショウヘイ・オオタニは確かに世界中で最も才能に溢れた野球選手である。彼には極めて優れたレベルの投打の能力が備わっている」と指摘。開幕直後から上がり続けている大谷への評価は、もはや絶大なようだ。そのうえで「そのため、水曜日の(トミー・ジョン手術が推奨されたという)ニュースは球界に大きな驚きをもたらした」と、新たな靭帯損傷発覚のショックは大きかったと強調している。

 投手としてのキャリアを続けるなら、手術は避けられない。記事では「オオタニは、彼が肘の手術を受けるべきだというエンゼルスの勧めにほぼ間違いなく耳を傾けるだろう」と推測。そして、トミー・ジョン手術を頻繁に行っている4人の医師たちが「彼の手術が複雑でないということが前提だが、24歳のオオタニは2019年シーズンにレギュラーのDHとしてプレーできると考えている」という事実も紹介している。

「オオタニは4か月半~半年の間にフルタイムの打者として復帰できる」

 一般的に、トミー・ジョン手術を受けた投手が復帰するまでには、12~14か月を要するとされている。だが、試合でボールを投げることがないDHであるならば、6か月程度での復帰が可能と見られており、手術を受けても「打者・大谷」が来季開幕に間に合う可能性もある。それを裏付ける証言を医師たちがしているというのだ。「オオタニは4か月半~半年の間にフルタイムの打者として復帰できる状態になると考えている」と語った別の医師もいるという。

 パッサン記者は、ある情報元からの話として、スイングで肘を怪我した例はMLBでは「たった一度」しかないというデータも紹介している。打者として出場を続けることに大きなリスクはないとも言える。今季は打者として出場を続け、シーズン終了直後に手術。そして、来季は開幕からDHとしてプレーしながら、2020年の投手としての復帰にも備える。このシナリオはかなり現実的に見える。

 一方で、記事では「最悪なシナリオとしては、もちろんなことだが、投手としての彼の将来が見えてきたという話が持ち上がった段階で、彼の靱帯が再び負傷してしまうことだ」とも指摘。同記者はあくまで大谷の二刀流での活躍を望んでおり、エンゼルスは投打両方の能力を生かすべきだと考えているようだ。「現状として、オオタニをフルタイムの打者に転向させるという考えはナンセンスだ。18か月もあれば、投手復帰への治癒期間としては十分過ぎるものだろう」。投手としてのキャリアを終わらせるという選択肢はなく、2020年のマウンド復帰を目指すべきだと“進言“している。

 エンゼルス、そして大谷はどのような選択をするのか。その決断に大きな注目が集まる。(Full-Count編集部)

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