吾輩はクルマである。名前は〇〇〇。
吾輩はクルマである。名前はクラウン。
日本でも有数の名のある名家「倉雲」一家(クラウンシリーズ)の出である。父の代までは兄弟(「ロイヤル」と「アスリート」)がおり、兄と弟で跡目争い(販売競争)のようなものもあったようだが、私は兄弟がいない(グレード体系を刷新)。さらに、父でいうところの叔父のような存在も私の世代には存在しない(「マジェスタ」廃止)。
つまるところ、私は誰もが異論のない15代目当主(15代目モデル)なわけだが、実は私には家業を継ぐ気があまりない。それ以上に自分の才覚で成功することを目指している。そして今年、ついに起業し、通信事業(コネクティッドサービス)を始めたばかりなのだが、事業については後で詳しく話そう。
私には見目麗しい妻がいる。名前は麻美。
まるでモデルやレースクイーンかのように日本人離れした8頭身スタイルをしているが、実際は専業主婦をしている(編集部注:現役レースクイーンです!)。趣味は書道。肌は透き通るように白く、おしとやかな上に、街をゆく誰もが振り返るほどの美しさを兼ね備えた日本女性だ。
実は今日は結婚記念日である。このところ私が新事業に力を入れ過ぎていたせいか、ふたりでデートに出かけるというのはかなり久しぶりのことなのだが、今日は妻もかなり着飾っているようで、私もしっかりとドレスアップして出かけたいと思う。
麻美「ねえ、あなた。今日はどこへ連れて行ってくれるの?」
倉雲「キミの行きたいところならどこへでも連れていくよ」
麻美「またそんなこと言って(笑)。けど、嬉しいな。ここのところあなたったらずっと忙しかったもんね」
倉雲「そうだね。久しぶりにじっくり見る麻美は、やっぱり綺麗だよ」
麻美「あら、あなただって……久しぶりにじっくり見たら……」
倉雲「見たら?」
麻美「こんなに鼻高かったっけ(ロングノーズ)? 整形した?(笑)」
倉雲「するわけないだろ(笑)。鼻が高いの(ロングノーズ)はウチ(クラウンシリーズ)の血だよ。それよりこのシャツを見て欲しいなぁ」
麻美「あら、素敵じゃない。両腕(ボディサイド)に3つずつ模様(窓)が付いてるのね」
倉雲「これ、先週『6ライトウィンドウ』で買ったんだよ」
麻美「『6ライトウインドウ』って今年注目のブランドよね。あなた初めてよね。そのブランドの服(クラウン初採用)。けど、そのパンツ(フロントバンパー)のシルエット(形状)もいいわね」
倉雲「ああ、前(グリル)にメッシュ処理が施してあったり、ところどころに光るシルバーが入ってる(メッキモール)のもいいだろう」
麻美「私はポケット(エキゾーストパイプ)が4つ(4本出し)ってとこが好きかな。あと今日のシャツ(内装)の質感もすごく素敵ね」
倉雲「知的で品性の高さを感じさせるだろう? なんてな(笑)」
麻美「いや、でもほんとそういうところあるかも。片手(インパネ中央部)に8インチのタブレット(ディスプレイ)持って歩いてたら、完全に理系のエンジニアで、誰も大企業の社長だなんて思わないわね(笑)」
麻美「ふう〜、もうお腹すいてきちゃったな」
倉雲「じゃあ、そろそろランチだね。今日はそうだなぁ……。親父の行きつけだった(先代型から継続搭載の)2丁目にある焼肉屋(2.0リッターガソリンターボ)か、最近店舗を改装(エンジンを換装)したばかりの2丁目の中ほどにある寿司屋(2.5リッターハイブリッド)、それから3丁目の中ほどにオープンしたばかりの(初採用となる)ビュッフェ(マルチステージハイブリッドシステム)の店(3.5リッターハイブリッド)あたりでどうかな?」
麻美「えぇ〜、ビュッフェだと食べ過ぎちゃいそうだから、今日は2丁目の焼肉屋(2.0リッターガソリンターボ)……って、やっぱり食べ過ぎないようにしなくちゃね(笑)」
倉雲「あそこの肉はどれもカロリー高そうだ(全域にわたって高いトルクを発生する)からな(笑)」
麻美「そういえばあなた、なんだか最近身体が引き締まってきたんじゃない?」
倉雲「おや、気づいたかい。実は『TNGA』ってとこに通い始めたんだよ」
麻美「『TNGA』って、あの最近よく聞くようになった完全個室のスポーツジム(プラットフォーム)よね?」
倉雲「よく知ってるね。社長仲間に紹介してもらったんだけど、ほらキミもよく知ってるプリウスさんな。ダイエット(クルマの走り)の基本となる、走る・食べる・筋トレする(走る・曲がる・止まる)って部分を科学的に研究していてさ、なんでもドイツの『ニュルブルクリンク』とかいう有名な人(サーキット)が発明した(走行テストを実施した)ダイエット方法なんだってさ」
麻美「いいな〜。私も今度一緒に行こうかしら」
倉雲「キミは今のままで十分素敵じゃないか」
倉雲「そういえば、今度始めた事業についてなんだが……」
麻美「ええ、執事さんからちょっと聞いてる。たしか通信事業(コネクティッドサービス)を始めたのよね」
倉雲「そうなんだよ。もちろんすでに同じようなサービスは存在していたわけだけど、私が始めたのはなかなか画期的なものでね。そう、ウチの専務のカローラ スポーツくんと共同で経営していくことにした(カローラ スポーツとともに初代コネクティッドカー)」
麻美「けど、どんな業務なの?」
倉雲「うん、簡単にいえば、スマホのサービスなんだけど、あらゆる要望にオペレーターが答えてくれるってものなんだ」
麻美「えー、それってオペレーターさんが大変そうね」
倉雲「けど、世界中の人(街を走るクルマ)から飛んでくる様々な要望(情報)に応えることで、我が社は社会(クルマ)とつながることができるんだ。もちろんそのビッグデータは当社で活用させてもらうと同時に、市井の人々(クルマ)に還元することで、さらに役立ててもらうんだよ」
麻美「なんだかワールドワイドな話ね。けど、介護事業(予防安全技術)の方は順調なの?」
倉雲「もちろん、前々からやってる我が社の介護事業(予防安全パッケージ)『Toyota Safety Sense』も新たな局面に入ったところだよ。今もたくさんの人を助けている(事故の被害軽減を実現している)」
麻美「よかった。これからもたくさんの人を助けていこうね!」
新しい事業に全精力を注ぎ込もうと思っていたが、妻の麻美にはすっかり見透かされていたようだ。
歩行が困難な人(歩行者検知機能)や目が不自由な人(アダプティブハイビームアシスト)など、我が社のサービスを必要とする人はたくさんいる。やはり社会のためになる家業の介護事業(予防安全技術)についても、これから本腰を入れていかなければいけないな。
おっと、今日は妻のための1日にしようと思っていたのに、また仕事のことを考えてしまっていた。仕事のこと(クルマの新しい機能拡張)はもちろんだが、家族やパートナー(クルマとしての基本性能)ももっと大切にしていこうではないか。
そう、吾輩はクルマである。名前はクラウン。
[Text:安藤 修也/Model:太田麻美/Photo:茂呂 幸正]
太田麻美(Asami Ota)
1990年5月23日生まれ(28歳)
SUPER GT 500 LEXUS TEAM au TOM'S auサーキットクイーン2018
三栄書房ゴルフトゥデイイメージガール GTバーディーズ2018
沖縄カスタムカーショー2018 イメージガール